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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:収束点。

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元魔王が心配な事。


 儂らはナランの街でひとまず宿をとり、今後の打ち合わせをする事にしたのじゃが。


「なぜ儂がお主と同じ部屋なのか納得のいく理由を説明してほしいのじゃが」


「仕方ないでしょう。現在貴女は私の娘という事で宿の台帳にも記入して頂きましたから別室と言う方が不自然です。貴女自分がその外見で何歳に見えると思っていますか? どう考えても幼い子供ですからね。もう少しご自身の現状をきちんと把握して頂きませんと」


 分った。それは認めたくないが仕方ない。

 認めよう。じゃが、納得はできん。


「そもそもその娘設定をここでは使わなければよかっただけでは無いのか?」


「そうすると私が幼女を連れまわす変態という事になってしまいますから却下です」


「儂はお主が変態認定されようと知った事ではないわ!!」


 ぐぬぬ……!!

 この男やっぱり儂は苦手じゃ! こんな調子で今後大丈夫なんじゃろうか……。


「ところで、具体的な話を進めましょう。ナランからローゼリアまではかなりの距離があります。とりあえずすべて徒歩で行くのはあまり得策ではありません」


 ……それはそうじゃろう。

 ずっと歩いて行くなど儂の足が棒を通り越して枯れ木になってしまうのじゃ。



「そこで、ひとつ考えがありまして。先ほどこの街でとあるマジックアイテムを購入してまいりました」


 帽子を買いに行った時じゃろうか?


「それを使えば、身体能力を一時的にですが飛躍的に上げる事が可能です。恐ろしい値段でしたがまぁ経費扱いにしてしまえばいいでしょう」


 なんの必要経費にするつもりなんじゃこいつは……。


「それで身体能力をあげてどうするのじゃ?」


「走ります」


 ……?


「すまん、もう一回言ってくれるかのう?」


「走ります」


 この男は賢そうな振りをしてもしかして馬鹿なんじゃろうか?


「それじゃ結局徒歩と変わらんではないか!!」


「何を怒っているのか理解に苦しみますが、とにかく話には続きがあります。まず私がそのアイテムを使い、一時的に身体能力をあげます。幾つか買い込んできたので丸一日分くらいにはなるでしょう」


 アレクは相変わらずの無表情で淡々とそんな事を言うが、ちょっと待て。そんな事をして平気なもんなんじゃろうか?


「お主、死んでしまうぞ?」


「大丈夫です。私は鍛えてますからね。それに、目指す場所はローゼリアではありません」


 話が見えてこないのじゃ。とりあえず能力強化して走るけど目的地は別にある?


「目的地はここから本来馬車で三日ほど走った場所にあるホーリードラン山です」


 ……ん? 聞いた事があるような名前じゃが……。


「貴女が元魔王ならば知っているのではありませんか? あの山には、老いたドラゴンが住んでいると」


 聖竜。


 思い出した。儂が物心ついた頃に一度だけ会った事がある。

 確か気が付いたらおらんようになっていて、周りの者に聞いてみたら老いを理由に魔王軍から離れた、と言っていたような気が……。


「まさかお主……」


「そのまさかですよ。その竜をなんとか手懐けて空から行きます。成功すればあっと言う間でしょう」


「しかし、老いた竜、じゃろう? 飛べなかったらどうするんじゃ。それにどうやって言う事を聞かせる?」


 儂はもう聖竜の事などほとんど覚えておらんが、ドラゴンという種族自体が本来気難しい物であるし、そう簡単に人間の手助けなどしてくれるものか。


「ドラゴンと言うのは年をとればとるほどに気位も高くなっていくと言います。誇り高きドラゴンだというのならば、こちらもそれ相応の力を見せれば片道くらい力を貸してくれるのではないかと、そう思っています」


「それは聖竜を倒すという事かのう?」


「そのドラゴンは聖竜と言うのですか? 聖なる竜とは素晴らしい。今回の件をお願いするのにこれほど適した相手はいませんね」


 あー。もう勝手にすればいいのじゃ。

 こやつの考える事は儂にはよう分からん。


 そもそも儂が知ってる人間の男なんてプルットとデュクシくらいのもんじゃからなぁ……。


 あの二人もかなり特殊な部類じゃろうしなんの参考にもならんわ。


 この男が正常とも思えんが。



「それで? 儂はここで待っておればいいのか?」


「何を馬鹿な事を。一緒に行ってもらうに決まっているでしょう?」


「まさか儂までその妙なアイテムを使えというのではないじゃろうな?」


「いえいえ。そんな事はありませんよ。無論私が貴方を担いで走ります」


 ……え?


「到着時間が中途半端になってしまいますからとりあえず今夜は眠りましょう。そして明日早朝に出発です。明日の夜にはホーリードラン山に着くでしょうから、そこで一晩野営をして翌日ドラゴン捜索をします」


 え、……え? 儂を担いで走る?

 なんじゃその危険なアトラクションは!


「ではやる事も決まりましたので眠る事にしましょう。おやすみなさい」


 そう言ってその服のまま布団に潜り込んで眠ってしもうた。


 こやつ……自分の決めたスケジュールの為ならとことんフリーダムになりおる。


 本当に大丈夫なんじゃろうか……。

 気が重いのう……。


















お読み下さり有り難うございます。


評価、感想、レビューなど頂けると非常に励みになりますので応援よろしくお願いします。



以下作品紹介


ぼっち姫は目立ちたくない!の前日譚

【滅国の魔女 〜姫が王国を滅ぼした理由〜】

https://ncode.syosetu.com/n9934fl/

作中登場のあの人達が主役の物語。ぼっち姫と合わせてお読みいただけるといろいろ分かるようになっています。



★新作★

【とある魔王の日記帳。】

https://ncode.syosetu.com/n5782fo/

毎日1話更新。2〜3分で読める日記コメディです☆


どちらも上記URLか作者の作品一覧よりご覧ください☆

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