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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:収束点。

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妹的に思い出作りする。


「……ごちそうさま」


「……私はお前の事を鬼か悪魔だと思っていたが、お前と比べたら鬼も悪魔も可哀想だな……」


 シャリィってばなんでそんな酷い事言うんだろう。

 私はただ言われた通りに乗り込んで全員ぶちのめして美味しく頂いただけだっていうのに。


「集落の恩人に対しての感謝の気持ちって奴を忘れてるんじゃない? ニポポンでは義理と人情が第一なんだよ?」


「ニポポン……? 聞いたことがあるような名前だが……まぁいい。そんな事よりこの集落のお宝を頂いていこう。それさえ無くなってしまえばこの集落も存在意義を失い自由になれるだろう」


 存在意義を失ってどうしていいか分からない、じゃなくて自由になれるって考え方がこの人の能天気な所だけれど、あの集落の人全員そういう考えだったみたいだし私とは価値観が違うのかもしれない。


 今私がすべきなのはとにかく誰か見つけて詳しい状況を聞く事だよね。


 魔王が生きてるか死んでるか確認して、死んでたらしょうがないけど……生きてるようならその中からおにいちゃんだけでも引きずり出す方法を考えないとだから、最初に合流するのはあの賢者さんが理想。


 あっちは嫌がるかもだけど私には用事があるんだから我慢してもらおう。

 ついでにもう一回くらいつまみ食いさせてもらおうかな。


 心の栄養は必要だもん。


「ねぇ、貴女達が守ってた宝はどこにあるの? 祭壇みたいなのがあるんでしょ?」


 私は服をはだけさせて足元に転がってる可愛らしい女の子に聞いてみた。

 確かこの人がこの集落の巫女だった筈。


「この先の角を右に曲がった所にある神殿の中にありますわお姉様」


 私は貴女のお姉ちゃんになった覚えはありません!


「お姉様、その、私が案内しますわ。そして人気のないところでもう一度……いいでしょう?」


「てぃっ!」


 私はその女の子の首筋に手刀を食らわせて昏倒させ、神殿の方へ歩き出す。


「……意外だな。お前は嬉々として連れていくと思ったんだが」


 シャリィは何か勘違いしてる。


「私は女の子が大好きだけれど、誰でもいい訳じゃないんだよ」


「……? そうなのか? ここの巫女は少しばかり顔立ちは幼いが可愛らしいと思うのだが……」


 違う。そうじゃない。


「私はね、嫌がられないと燃えないんだ」


「……うん。聞いた私が馬鹿だったよ」


 そもそも、嫌がって恥ずかしがってるあの表情とかがたまんないんじゃん。

 あっちからグイグイ来るのなんてお仕事でやってたので十分なんだよね。

 あれはあれで嫌じゃなかったし面白い人もいたけれど、私が心底楽しむ為には相手の羞恥心を引き出しながらそれを蹂躙する事が必要なんだよ。

 その辺をもっと分かって頂きたい。


 その点あのナーリアって人はダメ。

 賢者さん……アシュリーさんだっけ。あの人は最高だね。

 もっと言うならおにいちゃんは至高。

 本人は元の身体に戻りたいみたいだったけど私はあの身体のままでいいと思う。


 その方が私は嬉しい。

 おにいちゃんは好きだけど、おねえちゃんなおにいちゃんはもっと好き。


 だから絶対生きてると信じてるし、魔王から引きずり出してやるんだから。


「あ、神殿ってあれかな?」


 巫女の子が言ってたように進むと、少し距離はあるけど神殿っぽい造りの建物が見えてきた。


「はぁ……さっさと宝を手に入れて一度私達の集落に帰ろう。私はいろいろ疲れてしまったよ」


「そう? じゃあシャリィにもあとでご褒美あげないとだね」


「うむ、望むところだ。楽しみにしていよう」


 ……?


「シャリィ、もしかして嫌がらなければ大丈夫だと思ってる? 私は相手が本心で言ってるかどうかくらい見抜けるよ? ……楽しみにしててね」


 やっぱり私の思った通りだったらしく、シャリィは自分の失敗を悔やんで顔をくしゃくしゃにしていた。


 そう、そういうのが見たいんだよ。分かってるじゃん。


 そんなやり取りをしつつ神殿内に入っていくと、あの短剣が置いてあったのと同じように、今度は小さな手鏡みたいなのが置いてあった。


 美味しく頂く前にあの巫女さんが何か言ってたな。確か求める物を映し出すとかなんとか。


 私はその手鏡を手に取って覗き込むと、そこにはあの賢者さんが映っていた。


 おぉ、確かに私の目的に必要なものが映ってる。これは凄い!


 それにしてもここはどこだろう?

 なんだか周りがすっごく光ってるけど……。


「おぉ。この女を探しているのか? ここは……いつからか突如空に立ち上った青白い光の場所だな」


「ここがどこか分かるの?」


「いや、正確には分からない。晴れた日にこの辺りで一番高い丘から遠くを見渡すと、それと似た光が立ち上っている場所が見えるんだ。それが何なのかは私は知らない」


 詳しくは分からなくても方角は分かるって事でしょ? それで充分だよ。


「それはどっちの方角?」


「そうだな……ここからだと北西の方角か」


 なるほど……とりあえず次の目的地は決まった!


 あとは、そこに行くために私の心を充電しよう。


「って訳だから私はあそこに行くんで、ここで別行動だよ」


「ん……そうなのか? 私としてはなんの問題もないし危機が去るのはありがたいが、少しは寂しいな」


 でしょー。だからね?


「さぁ、ここは人気も無いし最後に思い出作りしようか」


「ひっ! 貴様は最後までそればっかりなのか!?」


 それしか考えてないみたいに言わないでよ失礼すぎる。

 ちゃんと自分の為だけじゃなくて相手にも喜んでもらえるように頑張ってるんだからね?


「という訳で覚悟しろー!」


「早くどっかいけ!!」

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