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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第三章:姫と愉快な仲間達。

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ぼっち姫、ふんどしの下が気になる。


 結果だけ言うと、ちゃんと私達はロンシャンへ到着できた。


 海岸まで出て、サクラコさんが流木を集めて驚くほど短時間でイカダを完成させた。

 すっごく簡素でこれ絶対沈むって思うようなやつを。


 なんとか私とサクラコさんがイカダに乗り込んで、後ろから蛙さんが泳いでイカダを押すんだけどそれがもうめちゃくちゃ早い。


 凄まじい水しぶきをあげながら蛙さんがバタ足をして、本当に四時間で到着してしまった。


 海で定番の、海洋魔物に襲われるなんて事もなくあっさりとロンシャンに到着したのだが、さすがに蛙さんは満身創痍な感じだった。


「ぜぇ……ぜぇ……」


「蛙さん大丈夫? めちゃくちゃ早かったけど全く休まずにあの速さで泳ぎ続けてたらそりゃしんどいよね」


「海水が……ぜぇ……肌にぴりぴりして……ぜぇ……とにかく早く岸に上りたかったんでさぁ……」


 デリケートかよ!


「とにかくカエルのおかげで無事に到着ってやつだ! さぁここから少し歩けばロンシャンだぞ。もうある程度復興も進んでるかもしれねぇな!」


「……ふぅ……あっしの事はフロザエモンと言ってくだせぇよ」


「ん? なんか言ったかカエル」


「……なんでもありやせん」


 私は預かってた服と刀を蛙さんに返す。

 海に入る時に蛙さんはふんどし一丁になって海に入ったのだが、服を脱いだ蛙さんはいろいろ凄かった。


 何が凄いって、手には水かきついてるけど身体自体は人間とほとんど変わらなかったんだよね。


 勿論肌の質感とか色とかは違うけど、人間みたいな身体付きしてて、その上に蛙の頭が乗っかってる。


 ……割とキモイ。


「姫さん、あっし濡れたふんどしを絞りたいんであんまりまじまじ見ないでくだせぇ」


 ふむ。

 あのふんどしの下はどうなってるんだろう。


「……あ、あの……姫さん?」


「それの下どーなってんの?」


「脱げと!?」


「さっさと着替えちまえ! プリンは私があっちに連れてくから。早くしろよ?」


 私はすっごく気になったんだけどサクラコが後ろから羽交い絞めにしてきて私を引きずっていく。


「……お待たせしやした」


 少し待ってると服を着た蛙さんが現れる。

 濡れたふんどしはどうしたんだろう?

 まさか絞るだけでそのまま履いてるのかな……?


「姐さん、姫さんを……どうかちゃんと見張っていてくだせぇ」


「おうよ。あたしだってプリンの目にきったねぇもん入れたくねぇからな」


「……泣きたくなってきやしたぜ」



 かんわきゅーだいっ!


 って言っておけばとりあえず今までの流れをぶった切れるってサクラコさんが教えてくれた。

 意味はよく分からないけどまぁそれはいいや。


 とにかく私達は三人で街道を歩き始める。

 私達が上陸した場所からちょっと行くとすぐに港が見えた。


 と言っても船なんかまったくないけど。

 ここにちゃんとした船でもあったらかっぱらって全部解決だったんだけど。


 それをサクラコさんに言うと、別に船自体は有るし漁に出てるだけだろうって事だった。


 かっぱらえばいいって話をしたら驚くくらいドン引きされた。


「おいおい……さすがにそりゃ犯罪だろうがよ……」


 私からしたらサクラコさんの口から犯罪ダメみたいな言葉が出てくる方が驚きだったけどね。


 サクラコさんが船を用意するとかなければ作るとか言ってたのは、既にある船をどうにかする気がなかったかららしい。


 思ったよりもまともな人だった。

 ちょっとがっかり。


 ……なんでがっかりしたんだろ。


 確かにサクラコさんは最悪の場合作ればいいみたいに言ってたけど……。


 言う事が基本的にめちゃくちゃだから犯罪くらいどうって事ない人だと勘違いしてた。


 なんかごめんね。



「お、ロンシャンが見えてきやしたぜ」


「なんだよ意外と復興進んでんじゃん。前みたいな物々しい雰囲気は無くなったな」


 二人の言葉につられて街を覗き見ると、確かにまだ瓦礫とかもちょっと残ってたりするし、家とかは簡易的なものが並んでるけど人々の活気はちゃんとある。


 小さな市場みたいなのが出来てるし、もともとかなり大きな都市だったみたいだしそれから比べるとほんの小さなものなんだろうけれど、これだけ人がいてちゃんと元気でいるならまたすぐに街は大きくなるだろう。


 ここがこんな事になった場所に私が居合わせてたんだって実感が全然わかないけれど、もしこの人達を少しでも守れていたんだとしたら……。


 それは私にとって希望だ。


 私は何も覚えていないけれど、私が誰かの命を守る事が出来たのならば。


 私の命は価値があるって事だ。

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