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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第三章:姫と愉快な仲間達。

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ぼっち姫、出航計画を練る。


 翌朝私達が村を出ようとすると、チェリオが出てきてサクラコさんに腕を回し、「早く帰ってきて下さいね?」なんて言ってるのを見た。


 ドン引きである。


 チェリオさんはそんな感じじゃなかったじゃん。

 昨日の夜に何があったんだよ……。


「君さえよければ私が返ってきたらうちで雇ってあげよう」


 そんな事を言いながらチェリオさんの頭を撫でる。


 こうやってあの万事屋にはメイドが増えていくのだ。


 おそろしやおそろしや。


「さて、一度準備の為に家に寄るが、そしたら早速出発しようじゃないか」


 私達はサクラコさんの言う通り、彼女の万事屋によってメイド達から紅茶とケーキを頂き、一息ついてから満を持して出発する事にした。


 さすがに蛙さんはそのままだと人目があるからまずいっていうんでフード付きのマントで頭をすっぽりかくしている。


 まぁ近付いて覗き込んだら分かっちゃうからメイドにはバレバレだったけれど。


 メイド達は蛙さんを見ても驚いてなかった。それどころか軽く人気者になっていて世も末だなと感じました、まる。


「待たせちまったな。じゃあ出発しようぜ。そうそう、プリン、とりあえずその剣にはこれ巻いとけ。剥き身よりはいいだろう」


 サクラコさんから着物の帯みたいなものを渡されて、それで刀身をぐるぐる巻きにする。

 ついでに紐で腰に括って、晴れて両手が自由になった。


 やたら艶やかな生地だけれどこれ高いもんじゃないのかな?

 くれるんだからあまり高価なものじゃないとは思うけれど。


「それで、まずはどこを目指しやす? ユーフォリアに行くなら正規の順路ってわけには行かないでしょうや」


 あー。そっか。まだニポポンってあっちの国からは存在が認められてないんだっけ。


 じゃあどうやって渡るんだろう?


「そりゃ密航しかねぇよ。といっても存在しないと思われてるんだ。船で接岸してもたいして怪しまれないけどな」


 なるほどなー。じゃあ適当に船で渡っちゃえばなんとかなるって事ね。


「船ってどこで調達するの?」


「今はロンシャンが復興に向けていろいろ動いてるらしいからまずはそっちに行って考えてみよう。あっちも大変な状態だから恩を売れば船の一隻くらいなんとかなるかもしれねぇし」


「そんな大変な状態の国に船なんかあるの?」


 サクラコさんは少しだけ首をかしげて私を見る。


「最悪の場合船は作ればいい。作らせればいい。その分の金さえあればどうにかなるし、なければ稼ぐしかないな。一応あっちに知り合いがいるから相談してみよう。頼りになる相手だからきっといい案を出してくれるさ」


 サクラコさんが信用する程の相手……。



 どうせろくなやつじゃないな。



「で、ロンシャンまではどうやっていきやしょうか? そんなに距離が離れていないとは言え海を挟んでいやすからねぇ」


 え、じゃあロンシャンに行くのにも船が必要じゃん。どーすんの?


「イカダだ!」


 ……冗談でしょ?


「まさか海をイカダで渡る気なの!? そもそも蛙さんが転移アイテム持ってるんじゃなかったっけ? それで直接ユーフォリア行けないの?」


「残念ですがあっしのは使い捨てなんでもう在庫がありやせんぜ」


 使えねぇ蛙だなぁおい!


 じゃあ結局のんびりといくしかないって事ね。

 誰か転移魔法が使えるような人居ないのかなぁ。


「まずは海岸まで出てイカダを作るぞ。イカダで丸一日くらいかければロンシャンまでいけるだろう」


「ちょっと待って。イカダに一日乗ってるの? 一つ聞いていい? 食事は? トイレは?」


 リアルな話トイレが一番困る。丸一日も我慢できる訳ないでしょーが!


「あぁ? そんなの下半身だけ海にでも入れて……」


「却下却下きゃぁぁぁっか!!」


「なんだよそんな事気にしてるのか? 誰だってするもんだしそれくらい気にしなくても……」


 それを気にしないのはあんたくらいのもんだ。

 一応この蛙さんだって性別男だろうし。

 って蛙の性別とかよくわかんないけど。


「でしたら四時間ならばどうです? それくらいなら我慢できやすか?」


 四時間……?


「まぁ、そのくらいなら平気だと思うけど……なんで四時間?」


「そのイカダをあっしが後ろから押して泳ぎやしょう。全力で突っ切れば四時間もあればロンシャンまで到達できやすぜ」


 本気で言ってるのかこいつは……。


「それ蛙さん大丈夫なの? てか泳いで押すくらいでそんなにイカダって早くなるものなのかな……?」


「大丈夫でさぁ。あっしは鍛えておりやすからね」


 今までで一番この蛙さんが頼もしく見えた。

 四時間くらいだったら天候にもそこまで左右されないだろうし、晴れてる時に一気に進んじゃえばなんとかなるだろう。


「よっしそうと決まればまずはイカダ造りだな! あたしについてこーい♪」


 完全にこのパーティーのリーダーはサクラコさんになってしまっているが、正直このくらい先導してくれる方がありがたい。


 あまり人前に立って目立つ行動するのも疲れるし、責任が伴ってくるし。


 その点サクラコさんは迷わないし、リーダーシップはあると思う。


 ……ただ自分勝手なだけかもしれないけど。


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