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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第三章:姫と愉快な仲間達。

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ぼっち姫、頭が冴えてくる。


 私は二人の疑惑の視線を振り切るようにテンションをあげて奥へと進む。


 相変わらず通路が続いていたけれど、途中から壁に明かりが灯っていた。


 誰がどうやって明かりを灯しているのかは分からないけど、私達に反応してついたっぽいので歓迎されている……のかな?


 って……うわぁ……マジか。


「おいおいこりゃなんの冗談だ?」


「できればただの前衛アートかなんかだといいんですがそうもいかないでしょうや」


 私達は急に物凄い開けた場所に出た。こんなに広い空間どうやって? って思ったけど、近くに山があったのを思い出した。

 多分その山の中が空洞になっているんだろう。


 むしろこの場所の周りに土を盛って山に偽装していたのかもしれない。


 そして、問題なのは今私達の目の前にはなんだか恐ろしくでっかい土偶みたいなものが立ってるって事。


 でかくていかつい。

 まさかこれが襲い掛かってくるなんてことはないと思うというか思いたいと言うか……はいはい分かってましたよ。


 私の思考がまとまらないうちに目の前のでかい土偶の目がピカっと光ったので皆一斉に武器を構える。


 サクラコさんは肘から指先くらいまでの長さの短刀を二本。

 蛙さんはニポポン特有のニポポン刀っていう細身の刀。


「やっぱり戦わなきゃいけないっぽいな。だったら……先手必勝ってな!」


 ふっと目の前からサクラコさんが消える。

 すると、まだ動き出したばかりの土偶の全身に斬撃の傷が付いていく。

 サクラコさんの姿は見えないけれど傷がビシビシついていくのでどういう順序で攻撃していっているのかが分かる。


 あのバカでかい土偶の足元から始まって胴体まで行き、そこから左腕に飛び移って肩まで駆け上がり、顔面にも数発切りかかって……今私の目の前にスタっと着地。


 凄い早業だ。

 スピードと手数の多さが凄いなぁ。


 しかし次の瞬間すぐに亀裂が直ってしまう。


「ありゃ、もっときっついのお見舞いしないとダメかなこりゃ」


 土偶は私達目掛けてその拳を振り下ろし、二人はさっとそれをかわして、私はただわたわたしいていた。


 だっていきなりこんな強敵との実戦とかさ、どう戦っていいのかも分からないのにハードすぎじゃない?


 私はぎりっぎりの所でその拳を避けたけど、足元の地面がべっこり凹んでバランスを崩してしまった。


「次はあっしの番でさぁっ!」


 蛙さんが刀を一度鞘に納めて、姿勢を低くしたかと思うと物凄い勢いで加速しながら抜刀。


 気が付けば土偶の足がひざ下あたりのところですっぱりと切り離され、うおぉぉぉん! という音だか声だかを響かせながらバランスを崩してゆっくり傾いて行くが、切り離された足がぶにゃっと急に液体に変化して、すぐにくっついてしまった。


「なんと……切っても無駄というのならあっしらとは相性が悪いですぜ……!」


 蛙さんがちょっと焦ってる。

 私はなんていうか怖いしどうしていいか全然わからなくて身体も動かないし困ってはいるんだけど、妙に頭の中は冷静だった。


「姐さん、どうしやす? どうも奴さん物理が効きそうにねぇんですが」


「……こりゃまずい。でもとりあえず試してみたい事があるからガンガン切りまくれ! あたしに考えがあるんだ」


 サクラコさんは凄いなぁ。こんな状況でいろいろ頭が働いてるっていうか、次にやるべき事を迷わず選択できる。


「よくわかりやせんがとにかく切って切って切りまくりやすよ! 十六龍閃!!」


 再び蛙さんが一度鞘に刀をしまってからの抜刀で目にもとまらぬ斬撃を繰り出す。

 ずばばばっと何度も何度も。


 その攻撃で、殴り掛かってきていた土偶の腕が細かくバラバラになった。


 そして、それぞれがまたぶにゃりと水になってそれぞれが引き付けあい、元通りに……。


「氷遁の術!!」


 サクラコさんが懐から……っていうか胸元から巻物みたいなのを出して地面に手を当て、叫ぶと彼女の手元から物凄い勢いで氷の礫が土偶に向かってかっとんでいく。


 まだ水状態の土偶の腕が、くっつき合う前にその水に氷の礫が接触し、みるみるうちに水が凍っていく。


「おいカエルもう一回だ!」


「……! なるほどそういう事か……。考えやしたね!!」


 蛙さんが再び抜刀。

 今度は凍った部分を切り裂く……というより、粉砕。


 そこはもう元には戻らなかった。


「どーよ。これならこのでかぶつ野郎もぶっ殺せるだろ! どんどんいくぜ!」


 私と言えば、それを「すごいなー」と眺めながら、何故か口から意思に反する言葉を吐いていた。



「それじゃあ、倒せないんだよなぁ」


 てかいつまで背中にカブトムシくっつけとくんだあの人。


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