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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第三章:姫と愉快な仲間達。

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ぼっち姫、不安しかない。


「そうと決まりゃあさっさとこの周辺の魔物共を殲滅しちまおうぜ」


 サクラコさんがなんだか妙にやる気を出している。

 そんなに私の妹……ショコラって子と会いたいのかな?


 酷い目にあうかもしれないのに? ……あ、この人にとってはそれが望むところなんだったっけ。


 ……私この先大丈夫かなぁ。この人達……っていうかこの人とこの蛙とうまくやっていけるかなぁ。


 ってかこの蛙さんなんで当たり前のように人間と仲良くしてるの?


「ちょっと待って。今更どうでもいい事なのかも知れないけど、この蛙さんと村長さんはどういう関係なの?」


「あっしと村長さんとの馴れ初めですかい?」


「ははは、フロさん、それじゃあ私達がまるで恋人同士みたいに聞こえてしまいますよ」


 くっそどーでもいい!!


 そういうおっさん同士のきゃっきゃうふふみたいなノリ辞めて!!


「馴れ初めってわけじゃありませんがね、昔私がまだ若かった頃山に山菜取りに出かけて魔物に襲われた事がありましてね。その時に颯爽と現れて助けて下さったのが……」


「そんな事もありやしたねぇ。何せ昔の事ですんでもう忘れちまいやしたよ」


「またまたフロさんってばそんな事言ってさっきまで二人で昔話してたじゃないですか」


「二人だけの思い出なんてのはあっしらの心の中だけに留めておきましょうや。人に聞かせてやるような事でもねぇですぜ」


「……そうかも、しれませんね」


 あ、どうしよう……めっちゃイライラする。


「落ち着け。こういうのをスルー出来るのもいい女の条件って奴だぞ」


 私が小刻みにプルプル震え出したのに気付いたのかサクラコさんが私の肩に手を当てて何かを悟ったような顔をした。


「蛙さん、貴方たちがとっても仲良しなのはよく分かったんで、とりあえずもう行こうよ。私が、殴らないうちに。貴方を」


「姫さん、どうかなされたんで? 突然倒置法で喋りだすなんて面白い人ですなぁ。以前会った時とはまるで別人みたいな雰囲気ですがまぁ記憶もねぇんじゃ喋り方も糞もねぇですな」


 その前に会った時私がどんなだったのか聞くと、結構オラオラ系の男勝りな感じだったらしい。


 ここに来てオカマちゃん説が再浮上してしまう。辞めてほんとに。


「私に関して他に分かる事ある? 些細な事でもいいんだけど」


「そう言われやしても……それならやっぱり姫さんの仲間を探してみるのが一番手っ取り早いんじゃないですかい?」


 やっぱりそうなるよね。じゃあとにかくここでの問題を解決して王都へ行ってみるしかないかなぁ。


「村長、カエルとのんびりお茶なんか飲んでたけど意外と切迫した状況じゃないのか?」


 サクラコさんが話を本題に戻す。


「いや、それは確かに多くの魔物が出没しておりますので村は戦々恐々ですよ。しかし今のところ実害が無いのも確かでして……」


「なるほど。まぁ魔物が近くをうろうろしてたらそれだけで大問題だろうしね。私は報酬さえちゃんと貰えればなんの問題もないさ」


「しかしこの村は……」


「いや、それについては解決してるから大丈夫。不足分に関しては補填方法があるしそっちに負担を強いるような内容じゃないから安心していいぞ」


 負担、かからないかなぁ。

 この村の女子たちがひどい目に合うのは負担じゃないのかな?


 まぁ、今のタイミングで村長がそれを嫌がるとサクラコさんが動かなくなりそうだから言わないけれど。


 村の人達、ごめんなさい。

 申し訳ないけれど必要な犠牲だと思うんだよね。


「ではそろそろいきやすかい。まずはどうするんでい?」


「とりあえず魔物の密集地を探して乗り込む。んで襲ってくるようならぶっ殺しながら魔物が集まってきてる原因を探ろう」


 サクラコさんがドヤ顔でそんな事を言ってるけど、要するに細かい事考えずに魔物の中に突っ込んであとはなんとかなる的なやつだよね。そんな適当で大丈夫なのかなぁ?


「おやプリンは不満そうだね? でも実際問題それ以外に何かいい方法はあるかい?」


「……ない。少なくとも私には思いつかないなぁ」


「そういう事でしたらまずはあっしが行って様子を見てくるのはどうです? それなら問題ないでしょうや。あっしにも問答無用で襲ってくるようならもう正気じゃないでしょうからやっちまうしかねぇですぜ」


 あ、そっか。蛙さんは魔物だもんね。


「そういえばどうして蛙さんは魔物なのにそんなに人間に友好的なの?」


「あっしですかい? あっしは先々先代の魔王様に幹部として使えていたんですがね、その方が亡くなってからは魔王軍から離れて諸国漫遊していたんでさぁ。流れ着いた先がこのニポポンで、しばらく目の不自由なご老人にやっかいになりやして。その影響もあって人間とはそれなりにうまくやってるんでさぁ」


 ふぅん。って事は人間だから、魔物だからっていうのはあまり関係ないのかもね。

 お互い言葉が通じる同士なら話せば分かるってやつ?


 身を置く場所の問題でいろいろ敵対もするんだろうけど、それさえなければ仲良くできるってことかな。


「まぁあっしの事は人間臭い魔物、程度で構いやしませんぜ。今はどっちの立場にも立てるしどっちでもない中途半端な野郎でさぁ。しかし今回はそれも役に立つんじゃありやせんか?」


「そうだな。あたしとしては多少暴れたい気もするけど穏便に片付くならそれもいいだろう」


「じゃあ決まりでいいですかい? まずあっしが言って調べてみて、襲われるようなら皆で撃退、そうでなければ原因の調査って流れでいきやしょう」


 さてさて、記憶喪失のオカマ疑惑とヤバいお姉さんと蛙のパーティの初陣が始まっちゃうよー。


 うーん、不安だ。



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