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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:人と魔物の事情。

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魔王様の働きかた改革。


「という訳で! 皆さんには今日から人を襲うのを禁止します!」


 私は魔王軍幹部達を全員会議室っぽい部屋に集め、高らかにそう宣言した。


「おいおいそりゃどういう意味だ?」


「しゃーらっぷ! 発言する人はまず挙手をして下さい」


 今文句っぽい事言ってたのは外見が馬みたいな魔物の人。


 今現在魔王軍には幹部が九人いるらしい。その全員をここに集め、それと私の隣にペリギー。

 私を含めて十一人がここに居る事になる。


 ちょっと驚いたのが、ロピア……ろぴねぇさんもこの幹部会議に参加していた事。

 つまり、魔王軍の幹部だったって事だ。


 私がろぴねぇをちらっと見ると、にっこり微笑んで手を振ってくれた。


 私もつい微笑み返す。


「ちっ、これでいいのかよ」


 馬の人が手を上げてくれたので指名する。


「はい、馬の人」


「馬の人って……まぁもともとあんたは俺達の名前なんかにゃ興味なかったんだろうけどよ。記憶がねぇってのマジなのか? それと人間襲うなってどういう事だよ」


 この馬の人はそこまで私を怖がってないような感じがする。

 ちゃんと話して分かってもらわないと納得はしてくれないだろうなぁ。


「うん。記憶まったくないんだよね。でも私、今まで最低人間だったみたいだからこれからはいい魔王になるよ。ヒルダさんが帰ってくるまでの間の臨時魔王ね。んで、人間襲うなっていうのは言葉の通り。そもそも皆が人間を襲う理由は? そこんとこ教えてくれる?」


 私の言葉がよほど意外だったのか幹部さん達がザワザワし始める。


「人間を襲う理由って……そりゃおめぇ……なんとなく……。魔物はそういうもんだろ? それに、ちゃんと理由があるやつだっているぜ。俺は肉は食わねぇが肉食わないといきて生きていけねぇ奴だっているんだ」


「じゃあ魔物はそういう物っていう抽象的なイメージはこれから払拭していきましょう♪ そういう偏見は種の進化を遮ります」


 種の進化、という言葉に幹部たちも「うーん……」と腕組みして悩み始めた。


「それに、人間を襲って食べてる人達については考えがあります。要は食料が安定的に調達できればわざわざ人間を襲う必要なんてないんでしょう?」


「……俺にはわからねぇが、そいつらにとって人の肉よりうめぇもんがありゃ確かにわざわざ喰う必要は……ねぇのかもな」


 お、やっぱりそうなんじゃん。

 食べる必要があるから襲う。そうじゃないなら平和に暮らしていける筈なんだよね。


「だったら人を食べずに済むようにいろいろ考えてみよう! まずは、畑を耕します!」


「ちょっと待って下さい」


 タヌキみたいな外見の魔物が挙手をしたので「ハイそこのぽんぽこさん」と発言を許可。


「ぽ、ぽんぽこ!? ま、まぁいいでしょう。私は人に化け人間の街に行った事だってあります。なので分かるのですが、貴女がやろうとしているのは野菜を作るという事ですか?」


「そう、その通り! 野菜を作ろう! みんなで!」


 再び魔物達がざわつき始める。

 野菜ってなんだ? とか、あれ美味いか? みたいなものから、面倒だとか人が食いたいとか。


 これで幹部だっていうんだから笑っちゃうよ。


「しゃーらっぷ! まずは広大な土地を耕して畑を作り、そこで野菜を育てるの。そして肉が食べたい人たちの為には家畜を育てるよ!」


「そうかそこで人間を家畜に……」

 トラみたいな人が物騒な事を言い出すので速攻で否定。


「違う違う。牛、豚、鳥、その他人間が家畜として育てているような動物を私達も育成、管理して安定した食料源として供給するって寸法ね」


「……確かに、それが出来るならある程度は解決する問題もあるでしょう。しかし、はたしてそれを魔物達が受け入れるでしょうか? 私も出来心で人間の家畜を襲って食べた事はあります。しかし……それほど美味いとは……」


 ふーん。なるほどね……そうなってくるとまたいろいろ分からせないと話が進まなそうだなぁ。


「よーっし。今日は特別にペリギーに言って必要な物を用意させてあります!」


 皆が不思議そうに私の顔を見つめる。


「これから私が貴方たちに料理って物を教えてあげる。どうせ食べた事ないんでしょ? 草食の人も肉食の人もどうせ丸かじりでしょ?」



「それって人間が野菜や肉とかをいろいろ手を加えて食べてるやつの事ですか? あれは腹の弱い人間どもが自分たちでも食べられるように加工しているだけでは……?」


 この人たちは料理の事をそんなふうに考えていたのか。


「根本的に分かって無いみたいだから皆に一度料理を食べてもらいます。肉食用、雑食用、草食用で分けた方がいいの?」


「メア、そこまで気にする事ないで? こいつら肉食や草食や言うても結局大抵なんだって食えるんだから。そこが動物とは違う所やで」


 ろぴねぇがにっこりと笑いながらそう言って私に手を振った。


「ろ、ロピア! メアリー様を呼び捨てにするとは……!」


 ペリギーがわたわたしながらろぴねぇに注意を促すが、何の問題もない。


「ぺんぺんいいのいいの。ろぴねぇは私のお友達第一号だからね♪」


「なっ、ととと友達!? ロピアと、魔王様がですか!?」


「そんなに驚く事ないじゃん。私はここにいる全員とお友達になるつもりだからね♪ だからその手始めに私がみんなに手料理を振舞ってあげよう。感謝するよーに☆」


 ろぴねぇ以外の全員が、顔をめちゃくちゃにゆがめてすっごい顔してた。


 失礼しちゃうわ。


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