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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:人と魔物の事情。

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魔王様の協力者募集。


「……お、おとも……だち?」


「そう、お友達♪ ……だめ?」


 目の前の単眼お姉さんはその大きな一つ目を極限まで細めて、「メアリー様、ですよね……?」と質問してきた。


「うん、そうだよ」


「で、ですよね! ですよねー。……で、先ほどの、お友達、というのは何の冗談で……」


「ひどい! 冗談なんかじゃないのに!」


「ひぃっ!!」


 あぁ……私がメアリーだって分ってからはさっきまでの素敵な笑顔はどっかに行っちゃった。


「ねぇ、お願い。落ち着いて私の話、聞いてくれる?」


 私がお願いすると、それを命令と捉えたのか必死に首を縦に振る。


 最初はカチコチに固まっちゃって私の事を怯えた目で見ていたけれど、私が記憶が全く無い事や、これからここでやっていきたい事、元魔王さんが帰ってきたら私は去ろうと思ってる事などを説明していると、だんだんその表情もいくらか柔らかくなってきた。


「えっと……メアリー様は」


「メアでいいよ」


「あ……はい。メア様は」


「違うって。敬語もダメ。メアって呼び捨てにしてほしいな」


 私がそういうとお姉さんはかなり困ったような顔をしていたが、やがて覚悟を決めたように「……メア?」と呟く。


「うん♪ メアだよ。これからよろしくね☆」


「……あはっ、なんだか……本当に別人みたいになっちゃったんやなぁ」


「やっと笑った♪ お姉さん笑顔すっごく可愛いんだからそうしてた方がいいよ!」


「メアは、ほんの数日前まではあんなにおっかなくて恐ろしい人だったのに随分明るい女の子になっちまったんよなぁ? でもその方がえぇと思う。メアも可愛いで」


 そういってお姉さんはその大きな瞳を閉じてにっこり笑った。


「じゃあ改めて、私のお友達になってくれる?」


「あぁ。私で良いならね。私の名前はロピアって言うんよ。よろしくね」


 ロピアお姉さん。


「じゃあろぴねぇでいい?」


「ろぴねぇ??」


「だめだった? ロピアお姉さんだからろぴねぇ。どうかな?」


「どうかなって……私今までそんな呼び方された事……いや、いいよ、ろぴねぇで。そんなふうに呼ぶ奴いないから面白いさ」


 そう言ってろぴねぇはケラケラと笑った。

 けっけっけっけ。みたいな笑い方でびっくりしたけど、やっぱりすっごく綺麗。


「でね、でね、ろぴねぇにいろいろ聞きたい事があるんだけど、私が記憶喪失になっちゃった理由って心当たりあったりする? ペンギンに聞きそびれちゃって」


「ペンギン……っていうと、メアの世話係してるペリギーの事やな? あいつとはもう話したんか。驚いてたやろ?」


 大分驚いてたと返すと、またケラケラ笑う。

 おっきな瞳をくわっと開いて楽しそう。

 それにしてもあのペンギンペリギーって言うのか……ペンギーめちゃくちゃ惜しかったじゃん。


「なんか三日くらい前に雑魚魔物を五万匹くらい連れて挨拶に行ってきたらしいで」


 挨拶……? 魔物を五万匹も連れて挨拶って事はあれかな? 殴り込み??

 三日前に行ってきたって事はその日に帰ってきて丸二日寝てたって事かな。


「魔物さんを五万連れて行って負けて帰ってきたってこと?」


 それ大丈夫なのかな意外と私弱っちいんじゃないの?


「いやなぁ、それが相手がめちゃくちゃ強かったらしいんよ。私は面倒で行かなかったから詳しくは知らんけどな、実際メアリー様が負けるとか一切考えられんかったし」


 ろぴねぇは腕組みして難しい顔をする。

 私は腕組みした時に腕によって押し上げられたおっきな二つのアレの方が気になって仕方が無かった。


 で、でかい……!


「何見とるんよ」


「でかい!」


「けっけっけっ! そういう正直なところ嫌いやないで。本当に面白い奴になったもんやなぁ。これでヒルダ様も居たら言う事無しや」


「……ごめんなさい。ヒルダって人前魔王やってた人なんでしょ?」


 ろぴねぇは一瞬、しまった。という顔をしたが、すぐに優しい表情になって私の頭を撫でた。


「確かにな、私達はヒルダ様が好きだったし、それを追い出したメアリー様は……正直嫌いや。でもな、今ここにいるメアの事は大好きやで」


「ろぴ姉さん!!」


 あまりの優しさに、ついその胸に飛び込んでしまった。


「おぉよしよし。なんだか急に子供みたいになってしもうたなぁ。これから変わっちまったメアの事を変な目で見てくるやつもいるだろうし、大変な事もあるだろうから私で良ければいつでも相談に乗るで」


「うぅ……ほんとはね、目が覚めたらいきなり頭から血とかぶっかけられたり記憶全くなかったりですっごく怖かったの。自分がすっごく酷い奴だったって知って、それで……」


「うん、そうだねぇ。私だっていきなり自分が誰だかわからなくなったら怖いと思う。誰も頼れる相手が居ないのは悲しいよなぁ……」


 やっぱりこの人とお友達になって良かった。

 最初は怖がられちゃったけど、ちゃんと私の事分かってくれたし分かろうとしてくれる。


 魔物にもいい人いるじゃん。

 やっぱり、これなら私のやろうとしてる事は実行できる筈だ。


「ろぴねぇ……私のやろうとしてる事、協力してくれる?」

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