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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第一章:それぞれの歩む道。

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変態弓士は欲望を隠せない。



「ありがとうございます。少し落ち着きました」


 目の前で困ったような顔をしているテロアに礼を言い、このハンカチはどうしたらいいかと問うと、「気にしないで下さい。それは差し上げます。出来ればもう必要無い事を願いますが」なんてキザな事を言ってくる。


 私が普通の女子であったのならば惚れてしまうかもしれないようなシチュエーションであるが、生憎と私は男には興味がないのだ。


「ありがとうございます。それと、もし他の方々が私のようにどこかで発見されるような事があればすぐに教えて下さい」


「ええ、それは勿論。こちらとしても鋭意捜索中です。……それはそうと、お耳に入れておかねばならない事があります」


 ……? テロアが今まで以上に深刻な顔つきになった事に違和感を覚える。


 まさか魔王がまだ生きているとかそういう話だろうか?


「実は……最近あちこちで謎の魔物の目撃情報があがっているんです。それも、人語をあやつるとの事でして」


 それは、魔王軍の幹部という事だろうか?

 幹部でなくともある程度力のある魔物なら人語を話すのを私は知っている。

 テロアだってそれは承知の上の筈だが。


「それが今までに見た事のないような魔物で、しかも自らを魔物ではなく魔族だと名乗っているとか。勿論こちらとしても討伐に向かいました。しかし、向かった第二騎士団は、騎士団長を含め返り討ちにあっています」


「返り討ち、という事は……その、」


「ええ。かろうじて逃げ延びてきた団員数名を除き、全滅です」


 確かに強力な魔物であれば普通の騎士団では対応が難しいというのもあるだろうけれど……。


「ちなみに討伐に行った騎士団は何人くらいで向かったのですか?」


「……三百人です」


 さ、三百人が数人を除いて全滅!?


 流石にそれは尋常ではない。

 いくら幹部クラスと言えどその人数の騎士を……。


「驚くのも無理はありません。私も同じ気持ちです。しかも第二騎士団長はかなりの使い手で、攻守ともに優れた魔法剣士でした。一報を聞いた時はにわかに信じられませんでしたよ……。しかも、同時多発的に自らを魔族だと名乗る魔物が各地で目撃されているという報告も入っています」


 テロアは沈痛な面持ちで今この国が置かれている状況を語った。

 いや、この国、ではなくこの世界が、かもしれない。


「幸いな事に今は主要都市などでは目立った被害は出ていません。魔族と名乗る連中は様子を伺っているような所があり、不気味としか言いようがありません。これは、やはり魔王が関わっているのでしょうか……?」


 それは私には答えられない。

 分からないからだ。もしかしたらあの魔王が関わっている事も考えられるけれど、だとしたら魔物ではなく魔族だというのが気にかかる。


「そこでお願いがあります。ナーリアさん、私達に協力していただけませんか?」


 協力。

 私は少し迷ったが、その申し出を受ける事にした。

 現状私一人きりで出来る事はそんなに多くない。

 だったらこの王都に暮らす人々を守るというのも、数少ない私がやるべきことの一つだと思う。


 私が一人旅に出て皆を探すよりは意味のある行為だろう。


 ただ、なんというか……正直こう、もう少しこのもやもやした気持ちとか、落ち込んだ気持ちとかをどうにかしたい。


 勿論みんなは生きていると信じている。

 姫だって必ず生きている。

 そう信じているからこそ、私は前向きに出来る事をすべきなのだ。


 だから、その為には私のこの不安定な感情をどうにかしたい。


 私は、とにかく今すぐにでも自分の意識を変える必要を感じていた。


 これは言い訳じゃない。

 必要な事だから。


 必要な事だから。


「私からもお願いがあるんですがいいですか?」


「勿論です。あのセスティさんの仲間が我々に力を貸してくれるというのですから出来る限りの事はさせて頂きますよ」


「……でしたら、私の住む場所を用意して頂けますか?」


「そんな事ですか? このままここに住んで頂いても構いませんよ。そうすれば情報の伝達も速やかに行えますし、いざという時にすぐにお呼びできますし」


 よし、これで住む場所と仕事を得た。

 後は一番大事な事だ。


「もう一つだけいいですか?」


「勿論。むしろ衣食住に関しては無理なお願いをする以上保証するのは当然ですから、お望みがあるのならそれ以外でなんでも言って下さい」


 言ったな? 言質取ったからね?


「……私の身の回りの世話をする少女を、一人都合して頂けませんか?」


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