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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第一章:それぞれの歩む道。

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姫はこの時を待っていた。


 ……何が起きた?


 気が付けば真っ白な世界にただ一人きり。


 いや、俺は未だにメアの中に居る……。


 少なくとも俺と、メアの二人は……いや、このままなら俺はメアに吸収されてしまうだろう。


 という事はメア一人が残される事になる。

 この真っ白な何もない世界で。


「……いったい、何がおきたの……? ここはどこ? まさか異空間に飛ばされた……?」


 メアの焦りが伝わってくる。

 そうか、ここが異空間という考え方も出来る。


 てっきりデュクシの力で世界が消しとんだかと……。


 どうやらメアもこの状況を把握できてはいないらしい。


『やれやれ……だからどうなっても知らないと言っただろう? 君はすぐ自分の力を誇示しようとして無茶をする。それが欠点だとそろそろ気付いてほしいものだよ』


 どこからともなく光の無い銀髪の神様が目の前に現れた。


「……アル。ここはどこ? 説明してちょうだい」


『残念だけどね、彼の力は恐ろしい物だったよ。世界を丸ごと滅ぼすほどのね』


 ……結局ここは異空間なんかじゃなくて全てが消しとんだ後の世界って事か?

 メアだけがアルプトラウムに生かされた……?


 くそっ。これじゃあ皆死んだって事じゃねぇか……。


『主……なんと言ったらいいのか……』


 ……そうか、まだ……お前が居たな。

 メアに吸収されるまでの短い間だが、俺が独りぼっちじゃなくて安心したよ。


『まだ希望を捨てないで下さい。状況を正しく判断してからでも遅く無い筈です』


 正しく判断って言われてもなぁ……。


「……私は、負けたの?」


『負けた、という言葉が正しいかどうかは分からないね。誰も勝てなかった、というのが一番近いかもしれないよ』


「まどろっこしい事は抜きで今の状況を説明して……。頭がおかしくなりそうよ。結局世界が滅んだの? 私が生き残ったって世界が滅んだら意味ないじゃない。全てをひれ伏させる事が出来ないなら生きていたって……」


『いや、確かに彼の発した力は世界を丸ごと滅ぼす程の物だったよ。しかしその力は私が彼方へ吹き飛ばしたがね』


 ……なんだと……?


「……どういう事? 世界は、滅んでいないの?」


 あのメアが、まるで幼い少女のようにおそるおそる真実を問う。


『当然だよ。君が負ける程度の話だったら私は傍観するつもりだったが、世界を滅ぼされてはたまったものではないのでね。さすがに干渉させてもらったよ』


「……アルは本当に私なんてどうでもいいのね」


『いや、他の人間達よりは余程目をかけているさ。死んでほしいとは思わないし、生きていてほしいと思う程度にはね』


「……思うだけでしょう?」


『当然さ。それが私だからね』


 この二人の関係性がよくわからない。

 神はメアの味方という訳ではないのだろうか?


「……まぁいいわ。で? 世界が滅んでいないというのであればここはどこ?」


『……そうそう。それを話しておかないといけなかったね。結論から言うと私は少々力を使い過ぎた。しばらくは大人しく世界を傍観するつもりだよ。君の力になる事もできないだろうね』


「そんなの今までとさほど変わらないじゃない」


『いや、私としてもね、面白い発見がいくつかあった物だから一度現環境を仕切りなおそうと思うんだ』


 仕切りなおす……だと?


「どういう事かしら?」


『君にもしばらくは大人しくしていてほしいという事だよ。彼らはまだまだ面白くなりそうだ』


「あらそう。……別に数年くらいなら待ってあげたっていいけれどね……。あのアーティファクトとあの男、そしてあの子の身体は手に入ったのだから成果は充分よ」


『ふむ……正直それだとパワーバランスが崩れすぎている気もするんだがね』


「私が私の力で手に入れたのよ? それにまで文句つける気なのかしら?」


『いやいや。そうは言っていないよ。それに……君の中に居るそれらはまだ意思の光が消えていないからね。せいぜい注意する事だ』



「ふん。今の状況でいったい何が出来ると言うの?」


『君の良くないところはそういう所だよ。絶大なる力を手に入れてしまった事と、他者を常に見下しているが故に万が一の場合を想定できない。……まぁいいさ、なるようになり、落ち着くべき所に落ち着くだろう。何が有っても私は力を貸さないよ?』


「好きにしなさい。私は私の力でどうにかしてみせる」


『……そうか。まぁ君はそれでこそ君なのだろうね。では、ソレについては自分で対処してみたまえ』


 そう言ってアルプトラウムの姿が消える。


「……それって、何の話よ」


 パァっと目の前の白い空間が切り開かれ、どこか砂漠のような場所に出た。


 ここはどこだ?

 少なくとも世界が滅んでいないと言うのであればあいつらも無事でいるかもしれない。


 ここから抜け出せれば、まだ可能性が生まれる。


 メディファス! なんとかならないか?


『……それをずっと考えている所です』


 何か、もう一つ何かきっかけがあれば……。


「……んた」


 メディファス今何か言ったか?


『……否定。これはおそらく……』


「ちょっとアンタ! いつまでこんな所に居るつもりなの? ここから出るわよ!」


 ロザリアか!? そうか、マリスも一緒に飲み込まれていたからな……。


「わたくしはずっとこの時を待っていたのよ! あの妙な奴も今は居ない。周りにアンタの仲間も居ない。なら……今ならやれる!」


 ロザリアがここを突破する方法を知っているのか?

 だが、どうする?


「……メディファスって言ったわね? アンタ主人を助ける為に身を捧げる覚悟はある?」


 おい、何を……。


『無論です。……大体理解しました。どうぞやって下さい』


 おい、メディファスは俺の相棒だぞ! 勝手に話を進めるな!


「しゃーらっぷ! アンタを助ける為にこいつが覚悟決めてんのよ。アンタも愚民らしく覚悟を決めなさい!」


 だから一体何を……。


「行くわよ!」


「ぐっ……なに? 一体何をしたの……? 私の中で、何かが……まさかあの男が? いや、違う……この感じ……まさかロザリア!? 私の中にロザリアが居るの!?」



「やっと気付いたのねおバカさん! いつかの恨みはきっちり晴らさせてもらうんだから!」



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