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【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
ちはやぶって ふりさけみちゃって いにしへの 恋の花咲く 百人一首
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はじまりに

 古文って難しいものだと思っていますか? 

 昔の言葉で意味もわからないし、おカタいものだとお思いですか? 

 中学や高校の古文の授業は好きでしたか? 


 もちろん、お好きな方もいるでしょうし、大嫌いだった! という方もいらっしゃることでしょう。ワタシも最初はそうでした。学校での授業は。


 あり、をり、はべり、いまそかり。なんだそりゃ。

 サ行変格活用、今はもう言えないけど、そんなやつ覚えさせられた。

「いとをかし」は「可笑しい」って意味じゃない。ああそうなんだ。

「いとあはれ」も「哀れ」ではない。ふ~ん。同じ日本語なのに意味変わっちゃったんだね。


 学校での古文はひたすら暗記でした。英単語を覚えて英文を和訳するのにも似た感覚でした。英語なら覚えた単語は英会話で役立ちます。けれど、古文は? 今更いくら雨が抒情的に降っていようとも「いとをかし」なんて表現します? たとえどんなに素晴らしい絶景を見ようとも「いとあはれなり」なんて言いますか? 


 別に古文の文法を覚えていなくとも、社会生活は滞りなく送れます。何の支障もなく。本屋さんに並ぶ書物も現代文さえ読めれば楽しめます。どうして学校で勉強するんだろう。受験で優劣を判断するためだけ? 


 ただね、ふと思ったのです。あの頃の方達もこうやって普段の言葉を使って書き綴っていたんだよね、と。あの時代の方達にとってはあれが「現代文」なのです。春は朝が素敵よね。夏の満月なんて超キレイって。源氏物語だってあれドロドロの恋愛物語ですよ。不倫だ、浮気だと騒ぎ立てる現代からすればあの世界はなんなんだ。あの人のことが好きだ、でもこの人のことも気になるなぁ、なぁんて同時に複数の人と恋をして……、ねぇ、一夫多妻だし……。


 デートして恋人と別れてからメールなどで

「今日は楽しかったね。またデートしようね」

 こんなメッセージを送るでしょう?

「バイバイしたばっかりなのにもう逢いたいよ」

 そんな風に想ったことありませんか?


 とても綺麗な景色を目にしたら思わず写真にとってSNSにアップしたりしませんか?

「見てみて! すっごいキレイでしょう?」

 感動したことを誰かに共感いいねしてもらいたくありませんか?


 百人一首に登場する和歌の内容もそのようなものです。自分の想いを相手に贈ったり発表したりしたのです。和歌という手法を使って。



 そう、そして和歌です。和歌。五・七・五・七・七の短歌です。これも「いと」が大変って意味で「あはれ」は趣があるって意味で、「なり」が助動詞「なり」で断定の意味だから、『大変趣があるのである』って訳す。なんて勉強しても楽しくもなんともない。たった7文字を訳すだけで疲れちゃう。

 だったら、とっかかりだけでも現代っぽく訳してみようかな、と思ったのです。和歌や短歌というと随分と高尚なイメージですが、季節を愛でたり、恋を歌ったり、人生について考えてみたり、そんな歌です。綺麗なものを綺麗だと感動し、好きな人を想って恋い焦がれて、今だって感じることや思うことは似かよっていると思います。


 そんなわけではじめたのが本作です。【超訳】とある部分がワタシが訳した部分です。

 今は百人一首は競技としても登場します。暗記のテストがある学校もあるかもしれません。お正月に家族で坊主めくりしますか? 大勢の人が一度は触れる百人一首の入り口をよかったら覗いてみてください。先には奥深い世界が待っているかも。同じ国の遠い遠い先輩方が感じて想って詠んだ歌。入り口だけで楽しんでくださるだけでも嬉しいです。


恋をして 景色を愛でて 意外とね 今も昔も 気持ちは同じ   


かも?



2016年より愛をこめて



 追伸 あくまでも【超訳】ですので、このままの訳を学校のテストで書かれても正解とはなりませんのでご了承くださいませ。



♪次回予告

あそびかた

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