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第一話「能力を持たない神」

Liberat Brain-リバレイトブレイン-


 人は脳を約20パーセントしか使っていない。

 だが、2050年7月10日。ある男が、脳を100パーセント使えるようになった。

 その男は世間からは神と表示られ、国からは世界を破滅しかねない破壊兵器だと言われ、国が警備の堅い牢屋に閉じ込めた。

 男は牢屋から出してもらうべく、ある提案をした。

「私がどのようにして脳を100パーセント使えるようになったか。それを提供するから、ここから出してはくれないか」

 国は悩んだ末、その提案に乗り男を釈放した。

 そして、月日はたち、誰もが脳を100パーセント使えるようになった。

 100パーセント使えるようになった人々には、それぞれ能力が与えられ、能力を使う姿は、もはや人間とは程遠く感じていた。

 その反面、能力を悪く使う輩まで出てくる大惨事となった。

 そして世界は、動物のいる世界から、神々の世界へと変わっていったのだった。



           第一話「能力を持たない神」

 

 今の時代、脳を100パーセント使うなんて、誰でもできることだった。

 脳にプログラムを送り、ちょこっと脳を刺激するだけではい完成。神様出来上がりってね。

 人はいつからか脳を100パーセント使うことを「リバレイトブレイン」なんて呼んでいた。

 あの日から人々のシステムは変わっていった、というより、神様に近づこうとしていた。

 今受けている高校受験だってそうだ。

 僕、堀野ケイトは、今くそったれなシステムで出来上がった高校受験真っただ中である。

 最初に受けたい生徒が学校の偉い先生と話して、そんでよかったらペーパーテストで合格発表。おかしいね。

 そんで僕はその偉い先生と話している最中だ。

「えー次に、なぜうちの高校を受けようと思ったんですか?」

「はい。僕の夢に、一歩でも近づくためです」

「君の夢とはいったい...」

「リバレイトブレインの能力を使い、悪に手を染めるやつらを取り締まる、『ガイト』になることです」

 僕はあまり人に夢を言わないため、この時すごく緊張した。まじで顏まっかっか。

「ちなみに、君の能力は?」

「ありません」

「....ん?」

「ありません」

 数秒だけ、先生との見つめあいが始まった。たぶんこの時あれ流れるよな。

♪目と目が合う、瞬間好きだと気づいた~♪

 気づいとらんわ。

「どうゆうことかな」

 僕の心の音楽を無視して話を続ける先生。

「まだ僕、リバレイトブレインしてないんです」

 えっ?という顔でのぞかれた。マジで焦ってるぞこの先生。

「もしかして、この学力、身体能力100点満点って言うのは...」

「はい!すべて僕の努力の結果です!」

 先生はあきれたような顔を浮かべた。そして先生が口を開き、こういった。

「君、保留」


 だよなぁ。そーなるよなぁ。

 リバレイトブレイン起こせば一発合格、きついなぁ。あと一週間ちょっとかぁ。

 帰りに本屋行って、リバレイトブレインができる本買っていこうかな。

 そう思っていた時、急に足の裏から、地面の堅い感触が消え、落ちてくような感覚が、全身を包んだ。

 一瞬で回りは暗闇に覆われ、白い光が見えたと思ったら、周りはさっきとは全く違う光景。

 僕を見て驚く人や、おびえる人。

 そして首には刃物が近づかれている。

「急に呼んですまないなぁ。少しだけの間、俺の人質となってくれよ。命の保証はするからよお。命だけは...」

 僕はリバレイトブレインがない頭脳で今の状況を整理してみる。

 謎の男は僕を人質だといった。だとしたら今は事件の真っ最中。外には警備隊が並んで守護体制になっている。そして、急にここに移動されたことから今僕に刃物を立てている奴の能力はワープ系の能力なはずだ。

 そしてこの場所は...そうか、ここは銀行。つまり銀行強盗の人質になったというわけか。最悪だ。

「あの子、急に飛ばされてきたのに、冷静を保っているぞ」

  すいません。遠くからだとわからないかもなんですけど、めっちゃ足ふるえてます。怖いです。

「あの子、なんで能力を使わないんだろう」

「使ったとしてワープ系の能力を持つ奴からは逃れられないよ」

 すいません。その考え方もしましたが一番は、まだリバレイトブレインしてないんです。能力使えないんです。

「おらぁ!さっさと金よこせよ!こっちは人質もとってんだ!」

 僕はなすすべもなくただただ刃物を突き付けられていた。

「ちっ。この手は使いたくなかったが...」

 そう言うと、男は刃物を僕の喉から離し、刃物を持った腕を大きく上に向かってあげた。大きく上げた腕を勢いよく、僕の右腕に振りかざしてきた。

 刃物は僕の腕に刺さり、今までに感じたことのない痛みが右腕から全身にこみあげてきた。


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