オタクがギルドに登録にいきます
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幸明は「さてとそれじゃ町の人お勧めの宿屋に行こうかミャウ宿代はギルバートの奢りだし今日のところ
は宿でゆっくりして明日二人と一緒にギルドと武器屋と道具屋もまわらないとね」と言うと門のそばにあ
る宿屋に向かった。
そして二人がたどり着いたのがここ旅人の宿メープルである
二人が見てまず驚いたのはあたりのほかの宿と違い客引きがいないのにもかかわず荷物を抱えた冒険者や
商人が次々に入っていくことそしてきれいな外観に窓から数えただけでもざっと5階建てなのにどうみて
も木造の建物に萱葺屋根そして中からもれてくるかぐわしい煮炊きの香り
二人は宿の扉を開けるとメープルの中へ入っていったするとかわいらしい少女が「ママ、ギル兄ちゃんが
言ってた人が来たよと中に声をかけるとふくよかな中年女性が現れた。
中年女性が「あんたリリスとファロナを助けてくれた本松幸明さんだろ私はギルバート母親でジャクリー
ンてんだこの子はギルの妹でエミリーこの町にいる間は気兼ねなく家の宿を使っておくれ」と言うのでふ
と疑問に思って聞いてみた
「ありがとうございますでもいいんですか、そんなに簡単に信じて」と幸明が尋ねると
ジャクリーンは「そんなに簡単でもないのさあんただからいっちまうけどエミリーには人の善悪がわかっ
ちまうんだだからあんたが捕まえてくれた盗賊団のメンバーを街中で見つけたのもエミリーなんだよ、何
でエミリーがなつくあんたは善人ってことさ」と言って幸明のわきを指差した方を見るとエミリーが手を
洗う桶を小さな手押し車で運んできていた。
幸明が桶を受け取ってありがとうえらいねとほめるとエミリーは恥ずかしそうにほほを染めるとジャク
リーンの後ろに隠れてしまった。
ジャクリーンは微笑みながら「あらあらほめられてうれしくなりすぎて恥ずかしくなっちゃたのかいこの
こったら」と後ろに隠れたエミリーをやさしくなでていた。
部屋に入って荷物を確認し始めた幸明だったが荷物の中から入れた覚えのない本と手紙をみつけた、なん
これって両方を眺めているとミャウが「あれその二つともアマテラス様の力がかんじられるんですけど」
と言い出した。
幸明は「え、てことはアマテラスが持たせてくれた物なのかまとりあえず手紙から確認しようこの本につ
いても書いてあるかもしれないし、エーーと何々この本には破滅へ至ってしまう原因がすべて記載されて
います、つまりこの本に書かれている事柄を一つずつ消していくのではなく原因と結果が結びついている
ならば例えば1ページの分まとめて消してもかまいませんそしてすべてが白紙になったとき任務は終了あ
なたの選択の書に変わります」
ミャウは「すごいですねつまりそれは神の預言書で神様との契約の書なんですね」
幸明は「そうだなあれまだほかにも入ってるなになにオラクルリング聞きたいことがあったらこれをつけ
て祈ればアマテラス様と会話できるとさ」
ミャウが「マスター、アイテムの確認も大切ですけど予言の書で一番近い予言を確認しておいたほうがい
いですよこちらの世界は移動に時間がかかりそうです」
幸明は「そうだねこちらに来てすぐ事件発生なんてぞっとしないけど用意できずに後悔はしたくない今日
一日だけでも死なせたくない人たちにあっちまったからね」
ミャウも「そうですねリリスにファロナ・この宿のジャクリーンさんエミリーちゃん衛兵のギルバートさ
ん・死ぬ想像が難しいけど弟子思いのローズさん皆さん良い人ですね」
幸明は「このままだと際限なく増やしそうで怖いけど今日会った人たちだけでももし危険が明日及ぶなら
守りたいし助けたいとそうおもうさてと最初の予言は何だあれこれって今日とっちめたあの盗賊団じゃな
いかなになに予言ではあいつらが力をつけてから会うはずだったんだけど今日やっつけたおかげで最悪
ローズさんが敵に回るのを回避したみたいだね」
ミャウは「エーーとそれってかなり重要な案件なのではおそらくリリスさんがらみでって事なんでしょう
けど」
幸明は「まあそうだねで次はとちょっとまずいかも準備する時間はあると思うけどモンスターの氾濫が起
こりそうだね予言書の日にちによると良くて一ヶ月最悪で二週間後になってる場所はこの町の南側から町
を包囲するように押し寄せてくるらしいなのでまずはこれから本格的に消していこう」
ミャウは「マスター、いい機会なのでアマテラス様に確認かたがた連絡を取ってみたらどうでしょう理不
尽も許されてますけど一応」
幸明はうなずくとその指にオラクルリングをつけると手を合わせたするとすぐにアマテラスが「幸明さん
どうかしましたか?」と聞こえてきたので幸明はとりあえず事情を説明した。
アマテラスは「そうですかまずは一件ご苦労様です心配してる件だけどその世界を守るためならば文字ど
うりの理不尽を許します、例えばこちらの世界であなたが見聞きしたあらゆる防衛・攻撃手段の行使を許
しますいい機会です反撃の狼煙になってもらいましょうこの国には二人のアンタッチャブルがいることを
世界に示してはいかがでしょうか、一人はあなたがあったそのローズという人そしてあなたという存在が
邪な連中にとってはどれだけ恐怖でしょうね」
幸明は「了解しました、しかしそうするとこちらの味方になってくれる人を上の立場の人にほしいですね
例えばここの冒険者ギルドのギルドマスターとかまだ行ってもないのになんですけど」
アマテラスは「それならたぶん大丈夫なのでは冒険者ギルドの実力はわかりませんけどOGのローズさんが
手を回してると思いますよ」
翌日の朝
メープルの前で二人を待っていると「おはよう早いじゃないか男が早く来ているのは好感が持てるねえ」
とローズが声をかけてきた。
幸明は「あれローズさん二人はどうしたんですか、もしかして」と疑いのまなざしを向けるとローズはあ
わてて「ちょっと待っておくれよいくらなんでも孫達のお礼デートの邪魔はしないよただまだ準備中なん
で私が相手をしてようと思ってねそれと二人にはまだ聞かせられない話もあるしね」と言ってから姿勢を
正すと「あんたが何者なのかは昨日夢の中に現れた神様に聞いた、それであんたがこの世界の救世主にな
る為に味方になってほしいて言われたんだがこっちは元からそのつもりだよあんたは私なんかよりよっぽ
ども強いしそれに孫達の恩人だし味方なっておかないとこっちが安心できないって言うか敵に回る想像を
するのも嫌だよそんなの悪夢しか無いじゃないか、何で昨日のうちにこの町のギルドには連絡してあるか
ら安心しな馬鹿が絡むかもしれんがギルドはあんたを冒険者として受け入れるそうだ」
幸明は「ありがとうございますローズさんお手を煩わせてしまって」
ローズは「なにたいしたことじゃないよ、それよりも氾濫の予言期日はいつぐらいなんだい」
幸明は「予言どうりだとすると最悪で二週間長くても一ヶ月ごにはおこります」
ローズは「最悪のほうだとあまり悠長に構えていられないね最悪でも自分のみは守らせないと解ったその
つもりで弟子達には稽古をつけようあと上の連中にも話を通しとくよ防衛手段用意させないとなあとあん
たが前線に出たら派手なのをお見舞いするつもりだと通達してもらうよ」
幸明は「重ね重ねありがとうございます、ローズさんなので約束します俺の後ろにはモンスターは一匹た
りともとうしませんし俺のそばでは誰も死なせません歩く理不尽をご覧に入れましょう」
リリス・ファロナの二人は「お待たせしましたすみません幸明さん」
ローズは「おっ二人とも用意できたか邪魔者は帰るとしよう二人ともきちんと案内するんだよお礼の意味
での案内なんだから浮かれてデート主体にするんじゃないよ」
リリス・ファロナの二人は「意識しないようにしてるんだから煽らないでください」と二人はほほを染め
ていた。
歩き出して十分ほど
リリスが「左がギル兄達の詰め所で」
ファロナが「右が冒険者ギルドです」
幸明が「逆じゃないのか初めてくるんで勝手がわからんけど町の衛兵の詰め所がこんなにこじんまりして
るのか?」
リリスが「行政区の方のはもっとずうっと大きいですけど市民街の方は威圧感を与えないようにこじんま
りとしていて少数精鋭ってかんじですなので衛兵なのに市民街に出られないのは半人前扱いされてるそう
です」
ファロナが「それじゃギルドに行きましょうかちょうどいい時間なのですぐに受け付けてくれるはずで
す」と言ってギルドのなかへ連れて行った。
リリスが「すみません冒険者登録の方を連れてきましたのでお願いします」と中央のカウンターにいる女
性に声をかけた。
「リリスさん・ファロナさんご苦労様ですね、当ギルドの職員で猫獣人族の白と申しますそれであなが」
酔っ払った冒険者が「ちょっと待った白さんそいつを登録するつもりか?」
白は「そうですが何か異議でも」
酔っ払った冒険者は「そんなひょろっとした奴ものになるもんかやめておいたほうがいいじゃないの
か?」
白は「この人はローズ様に衛兵のギルバートさんとこの町屈指の実力者からお墨付きがでていますしそれ
にあなた方が取り逃がした盗賊団を単独で殲滅捕縛できる方なんです失礼なことを言うならローズ様に言
いつけますよネットさん」
ネットは青い顔で「それだけは勘弁してくれ前に怒らせたときに地下の訓練場でてにした木の枝で立てな
くされたんだ」
白は「なら良いですねそれともこの人と地下の訓練場で相手をしてみますか?」
ネットは「ああいいぜこいつの化けの皮を剥いでやるよ」
地下訓練場
幸明は「何で登録に来たはずなのに模擬戦をするはめに」
白がすまなそうに「すみませんネットさん普段はいい人なのですがお酒が入るとちょっと」
幸明は「それで本気でやっていいんですか?」
白はあわてて「待ってください本気でやられたらネットさんがくれぐれも手加減をしてください」
ネットはにたにた笑みを浮かべながら「いつまでなにやってやがるどうせローズとギルバートをうまくだ
ましたんだろ」
幸明は「残念ですが無理ですね俺をけなすのはかまいませんがローズさんとギルバートのことを悪く言う
のは許せません自分の発言を後悔してもらいます」と言って殺気を開放するとそれをネットだけに向け
た。
そしてネットに向かい合うと「貴様程度に得物は要らん身の程を思い知らせてやるからかかって来い」と
言って手招きをした。
ネットはあっさりとその挑発にのってしまった。
ネットは「ふざけやがって思い知れ」と言ってかかっていき交差した次の瞬間天井にたたきつけられてい
た。
その後も交差した次の瞬間壁に地面にたたきつけられていた。
「おい白ローズが言ってた奴が来たらつれてこいって伝えてあったたはずなんだがどうしたこの面白い状
況は?」と言って恰幅のいい禿頭の親父が白に尋ねた。
白が「ギルドマスター例のごとくネットさんが酔って新人の方絡んだんですが運が無いことにその方がよ
りにもよって鬼より強いローズさんに敵にしたく無いどころかあいつの敵になるなんて自殺願望があると
しか思えないとまで言わした幸明さんだったんですしかもこの町に来たばかりで数少ない知り合いを悪く
言ったんで一合もさせてもらえず近づく度に上に左右にたたきつけられてます」
ギルドマスターも「あちゃーそりゃ仕方ないがいい加減終わりにしてやれ話が進まんこのあとも顔を出さ
せないとまずいところが待っているのでな」
白は「わかりましたそれで幸明VSネットの試合は幸明さんの勝利です、すみませんが幸明さんはこのあと
2Fのギルドマスターの部屋まで行ってもらえますかギルドマスターがお話があるそうです」
幸明は「わかりましたそれじゃこの人の手当てをお願いします」
白は「自業自得なんだからほっておいてもいいんですよ」
幸明が「さすがにそうもいきませんのでそれに一人じゃ身動き一つ取れなくなると思いますよ」と言って
にやっと笑みを浮かべた。
2Fギルドマスター応接室前
幸明は「二人はギルドマスターに会ったことがあるのか?」
リリスは「うん家の師匠の昔からの知り合いだし小さいころからかわいがってもらってるよ」
ファロナは「リリスちゃん幸明さんが聞きたいのはどんな人ってことだよ何で私が補足しますと元師匠の
相棒で引退されても世界で6強聖って呼ばれてるうちの一人でドワーフ族の豪槌のゼクさんって人です」
幸明が「豪槌ってもしかして馬鹿でかいバトルハンマーでも使うのかい」
リリスは笑みを浮かべ「そうだよゼク爺の背丈どころか幸明さんの背丈ぐらいのを軽々と振り回すんだ」
ゼクは「わしの紹介はそれぐらいして中に入った入った茶ぐらいふるまうのでな」と言ってドアを開けて
手招きした。
「よくきてくれたなさてとまずは二人に言っておくがこれからわしらが話すことは他言無用じゃからな
よいな」
ファロナが「私達にだけ言うってことは幸明さんに関係することなんですか?」
ゼクは「関係するどころか話をローズの奴にこの話しを話したのはこいつじゃ」
リリスは「いったい何の話を?」
ゼクは「モンスターの大氾濫の警告じゃ」
ファロナは「モンスターの氾濫なんて規模の差はあっても毎年のことじゃないですか?」
ゼクは「ファロナ勘違いしておるようじゃがわしが言ったのは大氾濫じゃ最悪この町が消滅するレベルの
な」
リリスは「大氾濫なんておとぎ話の中だけじゃ」
ゼクは笑みを浮かべる「残念じゃが経験者が居るのじゃよここにな」
幸明は「ゼクさんもしかしてあなたは前回の大氾濫の」
ゼクは「ああ経験者であり生還者じゃわしとローズはなそしておそらくじゃがほかの6強聖のメンバーも
な」
幸明は「ゼクさん聞かせて下さい前回の大氾濫の話をたとえそれがどんな絶望的な状況でも知らなきゃい
けないんです大氾濫を潰す俺達はそのためにここへ来たのだから」
ゼクは「わかった覚悟があるなら話そう二人は外で待っていてもかまわんぞ今からでは二人が強くなるま
で待てないからの」というのだが二人は首を横に振って「私達も聞きます足手まといならば町の中でみん
なを守りますのでどうか部外者にしないで下さい」といった。