オタクが自重をやめました
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幸明は「へ、冗談ですよね神様さっきも言いましたが俺は猫好きのただのオタクでそんなラノベの勇者み
たいなことなんて無理ですよ」と言うと
アマテラスが「それについては私はあなたに謝罪しなければならないことがありますそれはあなたが本来
生れ落ちる世界はこの地球ではなくあなた達の言うところのラノベような世界でそこで世界の調整者にな
るはずでしたがその世界を先ほどの新米がリセットしたために急遽この世界に生れ落ちることになりまし
た」
アマテラスが「そのため24時間いついかなるときもこちらの設定以上の能力を発揮できません、たとえば
本来の対人戦闘力はこの世界の世界王者全てと連続で試合をしたとしてもあなたは汗ひとつ掻かないで
しょう、そして我々神程ではないにしろ人間をやめているレベルの魔力を有しています。」
幸明は「しかし私は一部を除いて人に好かれませんし相棒のこいつを置いていくわけにもいかないのでや
はり」
アマテラスは「大丈夫ですよもちろん猫も一緒です、その相棒もあなた同様に制限がかけられているので
す、この際なので言ってしまいましょう、本来の姿は猫じゃありませんあなたのサポートフェアリーで
す、どうですかお願いできませんか、世界を救うためならばどんな理不尽も神の名において許可します、
あなたに不遇を押し付けた奴に目にものを見せませんか自分の見識の足りなさを思い知らさせませんか、
協力して下さるなら私の手をとってください、それが契約になりますあなたの意思で」と手を差し出し
た。
幸明は「相棒ともにいけるなら俺などで役に立つならその手をとらない理由はありません」とアマテラス
が差し出した手を握った。
アマテラスは「契約は成されました、あなたには拒否することもできたはずなのに私の手をとってくれて
ありがとうございます、ではあちらに送る前に必要な知識これは一般常識も含まれていますそれの伝授と
能力制限の解除をしますのでそのまま手を握ったままにしてください」と言うと同時に幸明の身体は熱く
だが反対に頭は驚くほど冷たく冷静に少し前ならば頭の中で決めるのに少しの時間が必要だったであろう
事柄もほとんどが瞬時に決定されていった。
アマテラスは手を離すと「全ての作業は問題なく終わりました、後はあなたが持っていく物を選ぶだけで
すねこちらには全てが終わるまで戻れませんので慎重に選んで下さいあと報酬としてあちらに残ることも
できますのでこちらに戻るときでもあちらでの実績によってこちらでの生活レベルを向上させることを約
束します」といって胸を張った。
幸明は「あちらにもっていけないものを逆に指摘してもらったほうが早く済みそうですねそれは荷物が少
ないとはいえ人と猫一匹暮らした家ですから」とお願いしてみると
アマテラスは「かまいませんよでもよろしいのですか、あなたが望むならそのスマホも存在の設定を変え
れば持っていくことも地球の友人に助言を求めることもできるのですよ」とその選択にまったをかけた。
幸明は「かまいません自分の失敗を人のせいしたくはありませんしそれにもしこちらに戻れなければ友人
たちを悲しませるかもしれませんから、ですのでこちらを旅立ってから戻るその日まで俺の記憶は封印し
もし戻れぬときは消してください」といって頭を下げた。
アマテラスは「わかりましたでもひとつだけ封印しても強い思い・絆によって結ばれた記憶は神の封印さ
えも乗り越えますそしてあらゆる障害を乗り越えて奇跡を起こすでしょうそれだけは憶えておいてくださ
いねでは、始めましょう」と言うと手を左右に振ると部屋の中央にPCやスマホその他の家電製品・普通の
缶詰猫缶の類が集まってきた。
アマテラスは「今集めたもの以外は持っていけますよ集めたものも向こうで開発すれば使用できますから
ね」と言って微笑んだ。
幸明は「え、こちらの衣服や靴を持っていけるのですか」
アマテラスは笑みを浮かべ「かまいません大切に使った衣服や靴には力や意思が宿ります特にあなたは力
が強いのであちらでも助けてくれでしょう」
1時間後
幸明は「お待たせいたしましたではお願いいたします、アマテラス様」と言うので見ると荷物は背中に背
負えるパンパンのリュックサック一つだけあしもとには相棒の猫がひかえている一人と一匹はその目に不
安さを浮かべることなく立っていた。
アマテラスは「わかりました、ただ門を開く前に最後に一つだけ言葉を思いを贈らせてください、いいで
すか貴方達はあちらへ死ににいくわけでも英雄になりにいくのでもありません、英雄になるのも結果で
しょうしだからこれだけは忘れないでください思い遂げる為あちらへ渡ったんだという事を命を粗末にし
ないことをそして必ず生きて思いを果たしてください、この世界に生まれたあなたは私の大切な家族なの
ですから」
幸明は「ありがとうございますでも別れ際にそれを言いますかアマテラス様せっかく笑顔で行こうって
思っていたのに家族なんてこいつだけだと思っていた俺に反則ですよ」
アマテラスは「いいんです別れる家族にこのくらい許容範囲内です、ではさよならは言いませんよだから
思いを遂げてまた会いましょうその日が来るのを待っています」と言って手を振ると一人と一匹を暖かい
光が包んでいった。