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暁の決戦1

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のちに生き残った冒険者はほかの町で地獄を見たと言う人を鼻で笑ったその程度で何が地獄だホントの地獄ってのはあの暁の平原のことだと後の歴史家は書き記す異世界から訪れた英雄がなした奇跡の最初の一戦だったと後に英雄に助けられた多くの人々は自分への賞賛を恥ずかしそうに俯きながら「自分は向こうじゃただのオタクですからそんなに持ち上げないで下さい」と言う言葉から異世界では機会を得ない英雄達をオタクと呼ぶのだろうと思ったという。

平原を朝日が赤く染めていくだが平原のいたるところから煙が一筋徐々にそれが形をなしていくそれは紛い物のゴブリン・コボルト・オーク・人間の完全武装の集団それが波のように町に向かって押し寄せていくだが町まで1キロきったとたんただの町は堅牢な要塞となった、そしてその前に立ちはだかるは冒険者達を率いるギルドマスター豪槌のゼクその二つ名の由来である自分の背丈より大きいいや巨大といった方が正しサイズのサイクロプスに作ってもらった特製のバトルハンマーを軽々と肩に担ぐと迫り来る紛い物の敵勢を睨みつけると「野郎共たたきつぶせチリも残すな後から来る守備隊の連中の仕事をなくしてやれ前座ごときは俺達だけで十分だってないくぞーーー」と叫ぶが早いか肩に担ぐバトルハンマーの重さを感じさせぬ速さで走り出した、続く冒険者達も己が得物を手に敵集団に突っ込んでいく程なくしてあたり一面いたるところから武器を打ち付けあう音が鳴り響くだが戦場に幸明の姿は無かったこの町の代表である評議会議員ルネ・エイトリクスにローズと共に本陣待機を命じられたからであるルネは言う「敵はモンスター達だけではありません近くの人間族至上主義勢力が侵攻の準備して国境に展開している名目上はこちらの撃ちもらしたモンスターの警戒と返答していますがねですからあなたにはローズ様と共に第二陣で出陣してくださいローズ様に信頼されるその実力に期待します、ここまでは建前で本音を言えばファロナたちを目の色変えさせたあなたを前座相手に使ってられないんですあの子達異性を測る目安がギル兄さんと比べてどうかですからねギル兄さんと比べたら同年代の子なんてガキ年上だって並じゃ無理ですからねまったくそんなあの子達があなたと同じ隊に入れてくれって直訴しにきましたよその場でローズ様にばれてお持ち帰りされましたけどねなのであなたにはローズ様同様独立戦力にさせてくださいいまは待機させてますがあなたの判断で動いて構いませんあなたという存在が私達の勝利につながりますように自由に行動してください」と言って頭を下げた主に習うように周囲の兵士達が次々に幸明に頭を下げていくついにはニヤニヤ笑っていたギルバートやローズまで頭を下げていたこれにはさしもの幸明もあわてて頭をぽりぽりかきながら恥ずかしそうに俯くと「やめてくれ俺はこっちじゃ自由に力が使えるけど向こうじゃ制限一杯で口と知識だけのただのオタクなんだから」そういいながらにやっと笑った。

その空気を変える様に「しかし異世界は不思議ところだなこんな優良な人材をほうっておくんじゃから人材の宝庫なのか向こうはもったいないと素朴におもうんじゃがな」と言った次の瞬間その場に伝令が駆け込んでくる「伝令一陣のマスターゼクより敵後方に対して火力支援をこう敵の連続を断ち切ってもらいたいそうです」あたりに重い空気が流れるゼクをしても敵に押されはじめている事実にその空気を断ち切って「俺が派手なの一発いってきます」そう言って幸明が人だかりから離れると後ろからローズを含め数人が「異世界基準の派手なのどんなの?」と好奇心に駆られてついていった。

幸明は周囲から離れさせると「ミャウ補助を頼むサテライトビジョン投影ロックオン敵後方に設定ミスリルウオールを敵の切り離しに使用敵後方に対してフレアボム×100+マキシマムトルネイドの合成魔法命名フレアサイクロンにて殲滅以上を設定出来次第起動する」と言うと「オーダー了解しましたマスター設定問題ありません起動どうぞ」と即座にチェックしたミャウが返す。

何の躊躇も無く「起動」唱えたとたん幸明から猛烈な魔力解き放たれるとまずは敵をミスリルウオールが切り離して囲い込み次の瞬間その囲いの中は炎と風の地獄と化した。

その光景を見たローズは隣にいたルネに「圧巻としか言えないねこりゃどうだいルネ本家上級魔法使いとして一言聞きたいね」と言うとルネはローズの方をちらりと見たあとで「悪夢でも見てる気分ですよ一個人で戦術級の魔法合成ならびに並列起動しかもそれを本職で無い彼がやるなんてもし彼と魔法の打ち合いをするなら師団程度の人数総動員しても彼一人になぎ払われますよ軽々とね」と言って降参と言わんばかりに両手を上げた。

それを聞いたローズは「それですむか、私の見立てだと兄貴のところの宮廷魔法使い×そうだな現在の評価でさえ10いや20名と言ったところだぞあいつ」と言う言葉に青くなる「ちょっとまってください人間より魔法の素養の高い魔族の宮廷魔法使い20名なんて言ったら自分達に換算したら傾国レベルの人数動員しなきゃつりあわないのでは?」と言ってあの人がと言わんばかりに幸明を指差すと「さっきの魔力の開放あれで理解した不思議だったんだ私もなんでことさらあいつと訓練でさえやりたくないほどに力量の差を感じているのかあいつを表す評価の言葉が話す前までは今じゃ珍しくらい強い奴から話すだんになったら勝手にあいつと敵対する奴は自殺願望があるとしか思えないになっていたのか、理由は簡単私の魔族の血があいつの実力を察知してたんだよ本人より早くね全くなさけない話だけどねそれと付け加えるなら今のあれでおそらく実力の一分も使ってないぞその証拠に即座に回復しちまってるうちらの生活魔法程度の力だなありゃ」と言ってため息をつく「生活魔法レベルで戦局を変えないほしいんですが笑うしかないですねこりゃかれは規格外と理不尽のそろい踏みと自分を表したそうですが確かに正解ですねこれで人柄も良好なんて二人ともえらい人に恋したもんですね生き残ったら恋の競争率この町一番になるでしょうね二人の保護者としていかがですかローズ様」と言ってさっきのお返しとばかりにニヤニヤしながらローズを見ると頭を抱えながら「そうだったそれもあったんだどっちもかわいい孫だからできるだけ優良物件に嫁いでもらいたいけどこりゃ良すぎだよ下手にあつかうと町中の未婚のおんなどもを敵に回しかねんぞ」とぶつぶつぶやいていた。


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