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第6話

村に1週間ほど滞在し、俺は王都へ向かう商人たちの護衛依頼をうけた


護衛として集まったのはみんなパーティを組んでいたようで、1人でうけたのは俺だけらしい

ソロで活動している冒険者はいないわけではないが、珍しい部類にはいる。まぁ、命の保証がない世界であれば、パーティを組むのが当然といえば当然だな。れもいずれはパーティを組みたいと考えているが、今はまだ不要だ。


考え事をしていたら1人の男が前に出た


「ここにいるのが今回の護衛依頼を受け集まったメンバーかな?俺は焔の証でリーダーをやっているグレンだ。他に希望するものがいなければ今回の依頼のまとめ役を引き受けたい。他に希望するものはいるか」


グレンと名乗った男は歴戦の冒険者として風格を感じさせた。立ち姿が他の冒険者と違うのだ。どこか凛として、また、身に付けている装備もその風格を際立たせていた。


周りがざわついていた

どうやら焔の証というパーティは有名らしく、一目おかれているようだ。なんでもAランクパーティということもあり、今回の護衛依頼は王都のギルドより斡旋されたものらしい。


周囲のざわめきを押し退けてグレンが話した


「いないようだな、では自己紹介は各自あとでやって来れ、依頼の確認をする。今回の依頼は5人の商人とその荷を護衛するものだ。隊列は1列となって進む。戦闘は俺たち焔の証が勤める。最後尾は探知が得意なものか、守りが固いものがほしい。だれかいないか?」



俺はどこでもよかったが、誰も声をあげないようなので申し出た


「俺が後ろを担当しようか、ソロだけど探知系の魔法を使えるから問題はないと思う。もちろん、敵を確認した場合は合図を出すから援護を回してもらう必要はあるけどな」


俺の発言を受けてグレンは歯を煌めかせ、満面の笑みで答えた


「ありがとう!助かるよ。護衛依頼を受けた僕たちはいわば一蓮托生だ。僕たちは君に命を預けるし、君の命は僕たちが預かっている。援護ではなく協力は惜しまずお互い全力を尽くそう。あとは各パーティで話して配置を決めてくれ」



グレンは暑苦しいキャラだが、俺は嫌いではない。イケメンということを除けばだがな!!

別に僻んでいるわけではない。断じてな!!



3日ほど進み、問題なく進んでいる。出てくる魔物は各パーティが倒していた。なかでも焔の証は頭一つ飛び抜けていた。1人が牽制をいれるとすかさず連撃をかける。魔物の行動に会わせて攻撃パターンを決めているのだろうか?一人一人の技量もそうだが、連携の能力がとてつもなく高い。


ただ、他の魔物に気をとられていたのか、戦闘中に別の魔物の接近に気づかないことがあったため、俺が後ろから魔物がいると知らせる事が何度かあった。


3日ほどの時間があれば人となりを知ることができる。俺が護衛についた商人ジーマと、焔の証のリーダーと斥候を担当しているヒノと打ち解けていた。


特に商人であるジーマは俺がアイテムボックスか魔法の鞄を持っているのか?と問い詰めてきて、ギフトの能力だと答えるとあからさまに残念な顔をしたが、それからは話しかけられることも多くなり自然と打ち解けていった。

魔法の鞄は希少なものらしく、商人なら誰しもが欲しがるものらしい。重量を気にせずに荷を運べるのだから、行商を行う身であれば是が非でもほしいのはうなずける。



ヒノは尊敬の眼差しを俺に向けている。何かした覚えはないんだが。俺が近づいてくる魔物にきづけたことがすごいらしい。


俺が知らせたのは蛇と虎だけであり、他の魔物はヒノも気づいていた。どうやらその蛇と虎がやっかいだということだ。


蛇はハイドスネーク

虎はシークタイガー

どちらも気配を消して近づいてくるため、感知が難しいらしい。ハイドスネークは毒をもっていることで冒険者のあいだで嫌悪されているし、シークタイガーは虎の攻撃力と機動力をあわせ持ち、奇襲をされると甚大な被害がでるため、常に発見できた俺を崇めているということらしい


毒を持っているというハイドスネークが最初に接近したときに素手でつかんでたよ

毒持ちなら先に教えてほしい。何も言わないからただの蛇かと思っていた。


それをみていた他のパーティは俺を武道の師範で、毒を持っていても攻撃を受けなければどうということはない精神をもつ戦闘狂なのではないかとざわついていた。

いえ、ただの無知で運がよかっただけです。



シークタイガーは戦闘力が高い。こちらで対処できるのは焔の証だけだった。他のパーティは牽制しながら時間を稼ぎ、焔の証がくるまで守りに徹していた。討伐依頼なら多少の無茶をすれば討伐できるが、今は護衛が最優先であり、下手に傷を負って護衛対象を増やすことは冒険者としてマイナス評価となるようだ。



俺は特に戦闘に参加していないため、割りと暇をもて余していた。俺がソロということと斥候ということで戦力に数えられていないらしい。なので魔力を練ったり体に纏わせたりして時間を潰していた。一応斥候なので近づいてくる気配に気を向けていたために1人の少女が俺の行動を見ていたことに気がつかなかった。



普通の冒険者は倒した魔物は必要な部位だけ剥ぎ取ってあとは放置するらしい。俺はこっそり回収しているのをジーマに見られ、あとで分け前を請求されることになった。

ジーマにギフトのことを話した方がいいかと相談したところ、言ってもいいし、言わなくてもいいということらしい。利益が得られることは当然行うべきだし、自信の能力を明かし、他者に利用されるだけされるのは損でしかない。周りが全員信用できるときに明かせばいいと言っていたので、俺はそれを受け入れた。



やはり話せる相手がいるというのは良いものだ。俺は王都にいってパーティを集めることを本格的に視野にいれてもいいと思っていた。



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