夢みる命
【Farfetch'd】さんの『シュレディンガーの鴨葱』という詩集に投稿していた作品です。
赤ちゃん誕生のお祝いとして書かせていただきました。
私のページで投稿しなおすため、せっかくなので挿絵付にしました。
暗く暖かい水の中生まれた
ゴーゴーと流れる命の音に
耳をすませ
造られては消えてゆく細胞の記憶を
夢で見ていた
太古から受け継がれてきた生命の記憶
それは束の間の夢として
通り過ぎ、すぐに記憶のかなたへと消えていく
ぬくもりに守られながら
過ごした幸せなまどろみ
明るく輝く光の元に生まれた
守られていたぬくもりから離れ
不安になって泣いた
すぐに聞こえたのは懐かしい声
抱き寄せられたぬくもりと
耳元で聞こえるトクトクと懐かしい音に
安心して泣き止んだ
夢の中でずっと聞こえていた
いとしい声が
ここにいれば安心なのだと教えてくれる
やさしく暖かい腕に抱かれ
すやすやと眠りにつく
新しい幸せな未来の夢をみながら