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掌編小説

心の空腹

作者: 斎藤康介

 たまらなく心に隙間ができ、心のなかが空っぽになる時がある。

 そんな時は芸能ニュースとラジオから流れる最新曲を詰め込んで満たす。でもそれはジャンクフードのようなものでカロリーだけが高く、詰め込んだ心は脂肪を蓄え肥満していく。


 重くなった心は感動(・・)をしない。

 感謝もしない。

 分厚い脂肪に妨げられありとあらゆる感覚は最深奥まで届かない。

 感覚が鈍くなった私はだんだと日々の生活から乖離していく。

 そして、私はそれ(・・)になり、それがまるで私のように振舞う。本当の自分だと信じる()は居るべき場所を失くし、行き場を喪う。


 日常に戻ろうと肉を切り落とすが、それは私の心、イコール自傷。

 そして流れた血を補うためにまたテレビをつける。


 現実に麻痺していく。

 体温さえも分からない。どこに居るのかも分からない。分かりたくもない。

 深夜、ベットの上で朝が来なければいいと願う。

 始まりがなくなれと請う。


 積もり積もった感傷が私の中心に座を据える。

 どうしようもなくなった私の一日の時間を埋めるためにまた芸能ニュースと最新曲を貪っている。


 ただ肉塊と化した心を私は、悲しむことも憎むこともできず抱えているのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 二度も書き込みすみません。掲示板じゃないのに^^; ご自身の言葉だったんですね。 というのは、私もこのお話とまったく同じことを思いながら生きているので、自傷とか。 日はまた昇るはポジティブ…
2011/11/17 07:21 退会済み
管理
[一言] 「朝が来なければいい」というのは 斎藤さんご自身が実際に思っている言葉ですか? あ、もしも答えるのが嫌な質問でしたら 無視してくださいね(;´`) 気になったので。
2011/11/17 00:25 退会済み
管理
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