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仮面の少女  作者: KUROKO A
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第三節 突然の別れ 1-3

「おいダニエル。ボサッとするな!」


新たな職場に変わって二月が流れる。


そう、もう二月もアンに会っていない。


「す……すいません」


炊事係は、囚人の食事を用意する場所。


そして、そこで働く者のほとんどが囚人だった。


今までに無いほどの酷い左遷だ。


ダニエルは、もはや看守ですらない。


(……アンは元気でいるだろうか?)


そんな事を思いながら、日々単調な作業を黙々とこなしていた。


北の館を一歩外に出れば、視界の中にアンの住む塔が見える。


ため息と虚しさが等しくダニエルを襲う。


今まで、当たり前のように会えていたのが、突然遠い場所に行ってしまったのだ。


塔を眺めるたびに、ダニエルは胸の苦しみを覚える。


悶々とした日々を送っているときだった。


「お前、確かあの塔の住人に食事を運んでいた小僧だろ」


それは、数日前に炊事係に配属になった一人の囚人だった。


「あんたは?」


「俺か? 俺はジョン。昔、とある機関に所属していたのだがヘマをしてしまってね。今じゃこんな格好をしているのさ」


少しおどけた様子で、自身が着るボロを広げて見せた。


「……それで俺になんの用だ?」


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