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第三節 突然の別れ 1-1
「おいダニエル」
突然、看守長に呼び止められた。
「なんですか?」
緊張感に満ちた看守長の声に、異様さを感じながら答える。
「お前、最近塔に行っている時間が長すぎるぞ。もう一度言っておくが囚人と俺たちは必要以上に関わる事はいけないんだ。わかっているよな」
今までに見たことがないほど険しい表情だった。
「でも、1番は食事が遅くて……」
しどろもどろに答えていると。
「……俺はどうなっても知らんぞ」
看守長は、苦々しい表情でその場を後にする。