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仮面の少女  作者: KUROKO A
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第十節 失意と好機 1-3


いつぶりだろうか。


懐かしい町並みから少し離れたところにある威圧の象徴。


バースチ監獄所は変わらずにそこにあった。


その中には、幾度も上がった階段のある塔も見える。


「三日後……」


マール監獄長の退官を迎える。


マール監獄長らしく、退官の際には催し物もなく静かにバースチを去るそうだ。


その時が好機だった。


警備の人間を連れていようとも、常に道中で気を配り続けるのは難しい。


いずれは、どこかに油断が出来るだろう。


もう一度、二人で交わした約束を守るために……。


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