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仮面の少女  作者: KUROKO A
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第十節 失意と好機 1-1


あれから、幾度の年を跨いだろうか。


右頬にできた傷跡の違和感にもようやく慣れた頃。


その場から逃げる事しかできなかったあの日を境に、ダニエルは大罪者という人生が始まったのだ。


もはや、一般人としての生活を送る事は生涯できないだろう。


放浪者を装い、守衛隊から隠れて生きる日々。


逃亡者の生活は想像以上に厳しかった。


王都はおろか、地方都市にすら入ることが難しくなった。


そんな絶望のなか、ある噂を耳にする事となる。


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