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神の見る夢

次元の狭間‥‥あらゆる宇宙を見下ろす「天界」の庭園で、その様子を眺めている存在があった。

かつて善輝(よしてる)に因子を授けた、あの女神である。


彼女はモニター代わりの水鏡に映る、平和になった太陽系を見て、クスクスと笑った。


『見事じゃ。まさか、壊れた星系(せいけい)を直すだけでなく、自ら(にえ)となってことわりそのものになるとはな』


女神は、二人が消えたはずの虚空(こくう)に視線を向けた‥‥そこには、人間には見えないが、確かな「痕跡」が残っていた。


『しかし、勘違いするでないぞ。……「神」がそう簡単に消滅するわけがなかろう?』


女神は悪戯っぽく微笑み、水鏡を閉じた‥‥その視線は鏡の中の映像ではなく、遥か次元の彼方、再生した宇宙のさらに深淵へと向けられる。


そこには、肉体というかせを脱ぎ捨て、より純粋な概念へと昇華した二つの「光」が、寄り添うように彼方へと旅立っていく気配があった。


『精々、二人だけの永遠(とき)を謳歌するがよい。……邪魔はせぬよ』


女神は満足げに目を閉じ、庭園には静寂だけが残された。



       ◇



数百年後‥‥




異世界「神聖魔導帝国」と、復興した「地球」‥‥二つの世界では、ある伝説が語り継がれていた。


かつて世界を絶望から救い、星となった「白き神」と「銀の戦乙女」の物語が。




夜空を見上げると、そこには美しい二つの星が輝いている‥‥赤く輝く星と、青く輝く星。


それらは互いに寄り添い、ゆっくりと回りながら、いつまでも世界を優しく照らし続けていた。




人々はその星を見上げ、こう囁き合う‥‥今もどこかで、二人が私たちを見守ってくれているのだと――。








                     ― 完 ―

ここまで読んで頂きありがとうございます。

滅亡まで10年、復讐まで50年 は完結となります。

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