孤独な告発
※登場する人物、地名、団体名等はすべて架空のものです。実在のものとは関係ありません。
また、作者は専門的な知識は無く、インターネット等で調べた程度です。その為、矛盾等があるかもしれませんが、ご理解ください。
繁華街の裏路地‥‥
腐った生ゴミの臭いが充満する雑居ビルの隙間で、善輝は震える手でタブレットを操作していた。
「……間違いない!何度シミュレーションしても結果は同じだ」
画面に表示された赤いグラフ‥‥それは、地球が10年後に太陽の熱で焼き尽くされる未来を示していた。
そして先程の武装した男達の言動‥‥「政府がこの滅亡予測を把握していながら、意図的に隠している」という事実は明白だ。
「なんでだ……? パニックを防ぐためか? でも、全員で対策を考えなきゃ、座して死ぬだけだろ……!」
善輝の正義感は、まだ政府の「真の悪意」には気づいていない‥‥
彼は純粋に、国民には真実を知る権利があると考えていた。
善輝はフードを目深に被り直し、近くのインターネットカフェへと滑り込んだ‥‥
追跡を避けるため、防犯カメラの死角にあるブースを選ぶ。
彼は、国内最大の匿名掲示板『Gチャンネル』にアクセスした‥‥
震える指でキーボードを叩く。
【スレタイ:【緊急】政府は隠している!あと10年で地球は滅亡する!これは釣りじゃない!】
本文:私は国立天文解析センターの職員だ。信じられないかもしれないが聞いてくれ!
太陽系近傍にブラックホールが出現した!その影響で地球の軌道がズレている!。
あと10年だ!10年でこの星は灼熱地獄になる!証拠のデータをアップロードする!
拡散してくれ!俺たちが生き残るために!!
善輝はタブレットから抽出した観測データを添付し、『書き込む』ボタンを押した。
「頼む……! 誰か気づいてくれ……!」
しかし、反応は冷ややかだった。
『はいはい釣り乙』
『最近の陰謀論は手が込んでるなw』
『明日学校だから寝ろ』
誰も信じない‥‥当然だ。あまりにも現実離れしている‥‥
焦る善輝‥‥だが、その直後だった‥‥
【この書き込みは削除されました】
画面が真っ白になり、エラーメッセージが表示された‥‥
さらに、添付したデータファイルへのリンクも無効化される。
「なっ……早すぎる!? まさか、監視しているのか?」
背筋に冷たいものが走る‥‥
これは、ただの検閲じゃない‥‥常時監視AIか何かが、即座に「真実」を握りつぶしに来ている。




