下剋上
そして時は流れ‥‥異世界歴50年目。
首都「ネオ」は、高層ビルが立ち並ぶ超未来都市へと変貌していた。国民たちは豊かに暮らし、かつての飢餓や戦争は歴史の教科書の中だけの話となっていた。
王宮の最上階‥‥警報音が鳴り響く中、善輝と結衣は並んで空を見上げていた。
「空間震発生! 規模、カテゴリー5! 地球軍艦隊です!」
オペレーターの声が響く‥‥上空に無数の歪みが発生し、巨大な宇宙戦艦が次々と姿を現す。50年前、自分たちをゴミのように捨てた連中だ。
「ようやく来たか」
善輝の口元に、凶暴な笑みが浮かぶ‥‥50年。長かった。
だが、この日のために全てを準備してきた。
「立花。準備はいいか?」
「いつでもいけます。陛下」
結衣が戦乙女の兜を下ろす。
「聞け、我が国民よ。空から来るのは『客』ではない。この星を奪いに来た侵略者だ」
善輝の号令が、全土に放送される‥‥
「彼らは我々を未開の蛮族だと思っている。……教えてやろう。誰がこの星の支配者なのかを」
善輝が右手を振り上げる‥‥それに応えるように、大地から無数の「対空魔導砲」が鎌首をもたげた。
「全砲門、開け!‥‥狩りの時間だ」
50年待ちわびた、人類史上最大にして最悪の「下剋上」が幕を開ける‥‥。




