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覇道の証明

それから10年‥‥異世界歴20年目。


大陸全土を巻き込んだ戦争は、かつてないほど一方的な形で終結した。

「不殺」の(かせ)を外した魔導国の軍勢は、容赦がなかった。


帝国の自慢する城壁は、長距離からの「魔導レールガン」による精密射撃で、司令部だけをピンポイントで吹き飛ばされた。

空を覆うグリフィン部隊は、結衣(ゆい)率いる空戦部隊によって全滅。騎士団は「重力結界」によって圧殺された。


だが、一般市民や、無理やり徴兵された兵士たちには被害は及ばなかった。善輝(よしてる)の魔導兵器は、敵対する「害悪」だけを正確に識別し、消し去ったのだ。


「ば、バケモノめ……! 貴様らは何なんだ!?」


燃え落ちる王城の玉座の間‥‥帝国の皇帝が、腰を抜かして震えていた。

その目の前に、善輝が静かに降り立つ。


「バケモノではない。……お前たちが切り捨てた者たちの怒りだ」


善輝(よしてる)は皇帝を見下ろし、淡々と告げた。


「お前たちの国は今日で終わりだ。圧政に苦しんだ民は、全て我が国が引き取る」


「き、貴様……神にでもなったつもりか! 逆らう者を力でねじ伏せるなど、やっていることは魔王と変わらんぞ!」


皇帝の悲鳴ごとき叫びに、善輝(よしてる)は冷ややかに答えた。


「呼び名など、見る角度の違いでしかない」


善輝(よしてる)は、窓の外で歓声を上げる民衆‥‥解放された帝国国民たちの姿に視線を向けた。


「虐げられた彼らにとって、俺は救いの『神』だろう」


そして視線を戻し、ゴミを見る目で皇帝を見下ろす。


「だが、搾取していたお前にとっては、俺は理不尽な暴力を振るう『魔王』に見えるはずだ」


「な、なに……?」


「それでいいと言っている。俺は、守るべき弱者を救うためなら、喜んで外道に対する魔王になろう」


善輝(よしてる)は窓から空を見上げた‥‥地球に置き去りにされるであろう70億人。そして、この皇帝と同じ顔をした支配者たちが頭をよぎる。


「俺は善人ではない。ただの『科学者けいさんき』だ‥‥害悪と判断したものは、躊躇(ちゅうちょ)なく削除する」


善輝(よしてる)が指を鳴らす‥‥パヂィッ!!

光の閃光が走り、皇帝の姿が粒子となって消滅した。


この日を境に、大陸は統一された‥‥善輝(よしてる)は名実ともに、この星の支配者‥‥「神聖魔導皇帝」となったのである。

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