決断
広場に静寂が落ちた‥‥結衣が怒りで震えながら、武器を構えようとする。
だが、それより早く、善輝が動いた。
ゆっくりと、将軍の元へ歩み寄る‥‥その顔からは、一切の表情が消えていた。
「……おい、近づくな。魔法を撃つぞ!」
将軍が部下に命じるが、誰も動かない。動けない。
善輝から放たれる、底知れぬプレッシャーに当てられ、騎士たちは泡を吹いて気絶していた。
「貴様、何をした……?」
「理解したよ」
善輝は将軍の首を片手で掴み、軽々と持ち上げた。
「俺は間違っていた。この世界にも、地球と同じように『話の通じない種族』がいると分かった」
「ぐ、が……っ!?」
「権力にあぐらをかき、弱者を踏みにじり、命を数字としか思わない連中。……場所が変わっても、お前みたいな腐ったゴミは湧いてくるんだな」
善輝の瞳が、冷酷な光を帯びる。
「慈悲は終わりだ。」
ブチッ。
濡れた雑巾を絞るような音と共に、将軍の首がねじり切られた。善輝は、ゴミを見る目でそれを投げ捨てる。
「立花」
「は、はい……!」
「方針を変更する。帝国軍の上層部、および圧政に加担する騎士団は、一人残らず排除せよ。……降伏は認めない」
それは、彼が「科学者」から、敵を滅ぼす「魔王」へと変わった瞬間だった‥‥だが同時に、虐げられた人々にとっては、唯一絶対の「救世主」が誕生した瞬間でもあった。




