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見間違い?

 進化というのは奥が深い。

 同じモンスターでも数多の進化条件があるようで、たとえば一角ウサギであれば、レベル10まで上げたら、オオツノウサギへと進化し、満月の夜にもちもちスライムというモンスターを倒すと月見ウサギに進化するという。

 オオツノウサギはFランクのモンスター、月見ウサギはCランクのモンスターらしい。


 魔物にはランクという等級があり、Sランクになるほど強いらしい。最大でS、最低でG。一角ウサギはGランクのモンスターで、月見ウサギに進化すると一気に4段階くらい上がる。

 もちもちスライムがCランクに属する魔物らしいからそこまで強くなれればCランクは当たり前なんだろう。


 当然ながら、インダラもとい、インドラウルフのランクはS。徘徊するレジェンドモンスターは軒並みSランクのモンスターだ。


「テイム!」


 私は一角ウサギをテイムしてまずは進化させてみることにした。

 レベルを10まで上げる必要があるというのが面倒くさいが、インダラと一緒に戦わせればレベリングも早く済むだろう。

 テイマーレベルが3まで上がったおかげで同時召喚できるモンスターの数も増えたからな。


「くそ、失敗か」


 一角ウサギをテイムしようとしたが赤い光になり失敗。

 まず進化させるにはテイムをしないと始まらない。


 その後も……。


「テイム!」

「テイム!」

「テイム」


 と、テイムをしているが、一向に成功する気配がなかった。

 

「うわぁ、ここまで成功しないの?」

「弱らせてないから確率は低いとはいえど、ここまで試行回数を重ねたら一回は成功してもいいとは思うんだがねぇ」

「やっぱ弱らせたほうがいいのかなぁ。でも、弱らせるには……ねぇ」

「そこなのだよ。問題は」


 弱らせるには私が生身で戦うしかないのだ。

 インダラは火力が高すぎるがゆえに、ワンパンしてしまう。アカネもレベル差がものすごくあるので一番弱い武器でもワンパンしてしまうらしい。

 だから弱らせるには私が戦うこと。だがしかし、私は戦うことが思いっきり苦手ときたものだ。弱らせるという方法を取るのはあまり現実的じゃない。むしろ私が生身で戦ったら死ぬんじゃなかろうか。


「レベルも結構高くなってきてるけど……。楽に倒せる一角ウサギですら死にかけるからねぇ」

「私の運動神経の悪さをなめないでもらいたいね。まぁ、ここでめげていても仕方がないし、テイムし続けよう」


 アカネからMP回復ポーションをもらい、飲み干した。

 このゲーム、すごいのが味がきちんとわかるということ。フルダイブ型のVRMMOということで、そういった味もわかるようになっているらしい。

 普通のポーションはメロンソーダ味、MP回復ポーションはブルーハワイソーダ味だ。


「甘ったるくてあまり好きじゃないな。味を変えれないのか?」

「できるよー。味変の設定とかあとで教えてあげる」

「助かる」

「甘いもの苦手だもんねぇ。女子なのに」

「女性だからといって誰でも甘いものを好むわけがないだろう。それに、苦手というほどでもない。自ら進んで食べようとしないだけだ。食べれなくはない」


 だから苦手とは言えないだろう──。

 そう言い訳していると、ちらっと視界の隅に何か変な姿の魔物が映った気がした。金色に光るウサギのような魔物が一瞬だけ見えたような……。

 私がその金色に光ったウサギがいたであろう場所を見ると、どうしたの?とアカネが尋ねてくる。


「いや、金色に光るウサギがいた気がしてな」

「金色に光るウサギ……? なにそれ」

「知らない魔物なのか?」

「効いたことないなぁ。あっちのほうにいたの?」

「あぁ。見間違いかもしれないが……」

「……新種の魔物かも! 見つけよう!」


 と、意気込んでいたのだった。









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