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アカネのファン

 助けてくれた彼女と一緒に始まりの街を歩く。

 

「その装備、初心者だろ? ああいうヤツたまにいんだよ。人殺したい欲求とかあるくせに強いヤツとは戦いたくないから初心者装備を狙ってPKするヤツ。ダセェよな」

「そうだねぇ。まぁ、カッコよくないとは思うね」


 あの手の輩は強い奴を狙うことはないよな。私は初心者装備だし、モンスターがいなければ戦うことすらままならない。

 そういう輩からしたら私は格好の的だな。インダラ以外にも戦える手札を手に入れないとならないか。


「なぁ、お前趣味とかあるか? ここで知り合ったのも何かの縁だ。フレンドになろーぜ!」

「別に構わないよ。フレンドは多いほうが心強いしね」


 私は目の前の女の子からフレ申請が飛んできた。名前はアスリタというらしい。

 

「へぇー、あんたクオンって言うんだ。いい名前じゃん」

「ありがとう」


 フレンドになり、再び足を進める。


「クオン、防具あげよっか? 初心者だと防具買うお金とかあまりないっしょ?」

「いいのかい?」

「先行投資! 何かあったら助けてくれればヨシ!」

「まぁ……私で助けになれるのなら構わないよ」

「りょ! じゃ、買いに行くか!」


 ということで防具を売っている店へとやってきた。

 職業ごとに装備できる防具は違うらしい。私はテイマーなので装備できるのは金属の鎧とかなどではなく、狩人が使うようなローブなどなど。

 とりあえず、買ってもらえる金額で一番防御が高いのを購入した。


「うん、やっぱ防具が変わると印象もだいぶ違うな!」

「そうだねぇ。色々と一式揃えて貰えて助かるよ」

「いいってことよ! 憧れのアカネさんならそうするだろうし!」

「アカネ?」

「知らねーのか!? 配信者のアカネさん!」


 知ってる……。っつーか知り合いっつーか。


「あの人はめっっちゃ優しいんだよ! あたしもこのゲームを始めたのはアカネさんがやるからでさ……」

「フゥン。で、君は要するにアカネのファンってことでいいのかい?」

「ああ! まだまだにわかだけどよ……。毎日寝る前に配信のアーカイブとかよく見てんだ! 昨日のとかまだ見てねえけど……」


 こういう可愛い子もアカネのファンなんだなーと思ってると。


「あれ? クオン」

「あっ!」


 目の前から歩いてくるアカネ、それに気づいてアスリタは背筋を伸ばして嬉しそうな笑顔を浮かべていた。


「アカネさん!」

「ん? あ、初めまして……かな?」

「初めまして! あ、あたしアカネさんのふぁ、ファンです!」


 と、ものすごい勢いで自己紹介をするアスリタ。


「ありがとね。君みたいな可愛い女の子がファンなの嬉しいよー」

「か、可愛いだなんてそんな……。あたしなんからんぼーだしアカネさんに比べたら可愛くないっす!」

「そんなに卑下しなくても……。で、クオン、何してたの?」

「その子に助けてもらってたんだよ。見たまえこの防具。購入までしてくれたのさ」


 そういうと、アカネはアスリタの手を取ったのだった。

 アスリタはひゃっと声を出す。


「いい子だねえ!」

「だろう?」

「く、クオン、その対応……あ、アカネさんの知り合いで……?」

「腐れ縁とでも言おうか?」

「親友でいいでしょ! アスリタちゃん、この人ね、私と一緒に配信してくれる子なんだよー」

「えっ!?」

「昨日発表したばかりだからねぇ」


 そういうと、アスリタはものすごくテンパっていたのだった。

 そして「昨日のアーカイブ急いで確認してきます!!! 迷惑おかけしました!」と言ってログアウト。慌ただしい。


「ログインしたならメッセ送ってよ〜」

「わざわざ君に足を運んでもらうこともないだろう。アカネもやりたいことあるんだろう? 配信外ではそちらを優先してくれても構わんよ」

「やりたいことはクオンとやりたいことなの!」

「ふむ。なら次からメッセを送るとしよう。それよりなんだがね……」


 私は二体目のモンスターが欲しいと告げた。

 一角ウサギでもいい、のだが……。インダラをテイムしたあとに一角ウサギというのはなんだかしょぼく感じる。

 テイマーレベルを上げるためにテイムする予定ではあるのだが、メインで使うモンスターを増やしたい。


「インダラに負けないとなると…‥。結構難しいよ?」

「だろうね。しばらくはインダラ頼りになるか」

「かもね。二体目のメインに据えるなら、インダラの弱点をカバーできる子がいいかもね。インダラは体力とか低いからタンクになれるような子がいいかも」

「タンクね……」


 条件に見合う子は現れるかね。


「アレだったら適当な魔物を進化させるのも有りだよ!」

「進化?」

「魔物って進化するんだよ。条件を達したらね。基本的にはレベルが一定を超えた場合なんだけど……。まだ進化の条件が見つかってなかったり、違う進化条件があったりする場合もあるから奥が深いとされてるんだ。まだまだ未知の進化条件とかもあったりして馬鹿にならないんだよね。運が良ければ全く知らない進化を遂げて条件に合致する…‥なんてこともあるかも」

「進化か……」


 たしかに進化を含めたら色々と奥が深そうだ。ただ、進化しないやつもいそうではある。

 インダラとかは多分進化しないんだろうなとはなんとなく感覚でわかる。


「ま、メインに据えるとか抜きにしてテイムしまくろね! ささ、レッツゴー!」

「そうだねぇ」


 新たな進化先を探してみるのも面白そうだ。

 これを終わったらとりあえず今判明している進化条件と進化モンスターを頭に叩き込んでおこう。新たな進化を発見してみるのも面白そうだ。











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