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ゲーム活動開始!

 私の家の荷物を茜の家に運び込む。

 茜は一軒家を所持しており、防音室など配信に関するものはあらかた揃えているらしい。

 金かかってるなと思いながらも、机に座り話し合いを始める。


「まず活動するにあたってね! 名前! 名前決めよう! 名前決めたらこれでゲームの名前も登録してね!」

「ふむ、名前ね……」


 私はペンを握る。

 たしか茜はアカネと本名だった気がする。私も活動するならそれに合わせるべきだな。

 私の本名、渚 久遠の名前からクオンと入力していく。


「やっぱりその名前にするよね! あっぶねー、名前だけ取っておいて良かったー」

「取っておいてよかっただと?」

「今やるゲームとかね、一度使われてる名前は使えなくなるんだよ。発売当初に二つのアバターの名前だけ設定しておいて取られないようにしたんだ」

「用意周到にも程があるよ。最初から巻き込むつもりだったんだねぇ」

「もしものためにね!」


 そのもしもが今来たというわけか。

 ならそれで良いだろう。茜曰く、機材とかは既に揃っているらしい。

 私の部屋に機材を置いてあるというので見てみると、よくSF映画にあるようなカプセルみたいな機械が設置されており、この中でフルダイブ型のVRMMOを始めるらしい。


「本格的なものだな……」

「そう! やるからには高性能じゃないとね!」

「いくらしたんだこれ」

「大会とかにも使われるヤツだから……これ一台で一億くらい?」

「…………」


 信じられない金額だ。

 一億の機械をぽんと人に渡せる時点で金持ちだという印象しかない。


「ほら、入って入って! 設定終わらせちゃって!」

「わかったよ。だから押すんじゃない」

「配信の時間もすぎてるから早めにね! アバターはなるべくリアルモジュールがいいかな。色々弄ってもいいけどあまり顔は変えないでね! わからなくなるから! じゃ、私もログインして待ってるからねー!」


 と言われたので私は寝転がり機械の電源を入れる。

 カプセルが閉じ、私の意識はいつの間にかゲームの世界へと旅立っていったのだった。


 いかにも電脳的な空間に閉じ込められ、目の前には執事服を着た羊の姿。

 

《私はアナザーディメンションオンラインの案内を担当いたしますAIと申します。アイとでもお呼びくださいませ》

「アイ……」

《クオン様で間違いないでしょうか》

「そうだ」

《クオン様を確認いたしました。では、アバター設定に入ります。一から作成することも出来ますが、現実の体を参照し似たようなアバターを作成することも可能です》

「現実の体を参照」

《かしこまりました》


 色々と設定を決めていく。

 種族も選べるようで、種族に関してはあまりとやかく言われなかったな。

 種族によって成長するステータス補正が違うらしく、色々悩ましい。


 私のプレイしたいスキルに合わせて変えろということたろう。

 私はあまり運動は得意ではない。だから魔物の攻撃をたくさん受けるだろうし、体力もすぐに減るだろう。だから防御、HP補正がかかる機械人……。


 いや、違うな。

 魔法使いになったほうがいいかもしれん。エルフにしておこうかな。魔力とMPに補正がかかるようだ。


 エルフを選択する。

 エルフになると耳がとんがるらしい。ファンタジーだな。


《設定が完了いたしました。では、アナザーディメンションオンラインの世界をお楽しみください》


 そういうとアイは消えていき、目の前の光景が移り変わっていく。

 見たことのない噴水広場。ここが初期位置らしい。


「さて、アカネを探さないといけないな」


 アカネはどこにいるのかと思いキョロキョロ見渡してみると。


「ふふ、だーれだ」

「……アカネしかいないだろう」

「正解! この子が、今日から配信活動を共にしてくれるクオンだよ! ほら、挨拶!」


 と、浮かんでいるカメラを見せられる。

 こうマジマジと改めてやるのは少し気恥ずかしいが。


「クオンだ。不肖ながらアカネの友人を務めさせてもらっているよ。よろしく頼む」

「コメント見られるように同期しておくねー」


 と、視界の左端にコメントが流れ始めた。

 美しいという声が多数だった。


「というわけで! 今日から新企画〜! 超初心者のクオンを助ける〜!」

『いえーい』

『ちなみにどんくらい初心者なの?』

「どんくらい? 今まで生きてきてゲームの経験が指で数える程度しかないくらい」


 そういうと一気に心配そうな声をあげていた。


「ま、やってるうちに慣れるよ! クオンは頭がいいからね!」


 そういうハードルを上げるのはやめろ。









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