第六話 明るく照らせ、静かに寄り添え
「元気なのは良いぞ。誰かを照らす太陽になれる」
「ぴゃん!」
「静かなのも良いぞ。誰かに寄り添う月になれる」
「なん!」
「どっちつかずも大歓迎だぞ!誰かの想いを尊重できる!」
「たー!」
仲いいなノエルさん。レンとうぱーくんだけじゃなくとあくんも一緒になって戯れてる。みうくんはアランさんの傍から離れないけど、にこにこと楽しそうに微笑んでいるのがノエルさんのことを拒絶していない証左になる。
「……特例か?」
「いや。扱いとしてはウォルクさんと同じ”外部からの戦力”だ。今回の事例においては最近発生している怪異の侵入についての調査依頼、ということになっている」
「なるほど……上層部としても看過出来なかったということか」
「流石に厳しかったらしいな。全て魔術部門の責というのも無理があったようだし」
「それもそうだ」
変異した死霊型の怪異を皮切りに、東雲を狙った混合型の怪異や、俺が戦った精神干渉をしてくる怪異。今は追放された魔術部門の職員が関与していたという部分はあるが、それにしたってイレギュラーが多すぎる。
「……よくあの身内主義を納得させられたな」
「いや……ルコンさんの独断だが」
「懲りないなルコンさんも」
「いやん照れちゃう」
「褒めてないぞ」
アランさんとリアムさんの会話に反応したルコンさんと、そんなルコンさんをバッサリと切り捨てるウロさん。相変わらずルコンさんの膝上にウロさんは乗っているが、最早お仕置きの体ではなく、単純に二人揃ってリラックスしているようだった。……足は痺れないんだろうか。
「遅れました」
「ああ志葉さん。いえ……なんだか、色々予定が狂いそうなので問題ないです」
遅れて合流した皇がアランさんの言葉に首を傾げ、室内にいるノエルさんを見て納得するように目を瞬かせる。スミレくんは相変わらずうとうとと船を漕いでいた。
「お!君も初めましてだな!俺はノエル、今日からしばらくの間お世話になるぞ!」
「皇志葉です。こいつはスミレで、これがイデア」
「何故ポケットから……?」
「スミレが入れた」
「……(うとうと)」
明らかに質量を無視しているイデアだが、今更か。思わず突っ込んでしまったが皇が説明出来る訳がなかった。ずるんとやけに滑らかな動きでポケットから抜け出したイデアは、驚いているノエルさんに興味があるのか頭部と思しき部分を上下に振っている。
「ぴょ!」
「ててあー!」
「ななな!」
「ええと…………面白い生き物だな!」
理解することを諦めたらしいノエルさんは、流石の適応力でイデアのことをそういうものとして受け入れたらしい。そういえばこの人、レンを見た時もそんなに驚いたり動揺してたりはしなかった。元々未知のものに対する耐性が高い可能性はある。
「ノエルさんが当分ここにいるのは分かりましたけど……捜査というからには、共同で?」
「そうですね。それも含めて、今後の予定を組み直さないと」
「ああ成程」
「確か……支部の方への顔出しもあるんでしたっけ」
「はい。支部に関してはまぁ……正直、一人で行っても良いんですけどね」
「一緒に行きます」
「えっ」
「絶対一緒に行きます」
東雲さんの勢いに困惑しているアランさん……あれだけ慕われているのに、もしかして気付いていないんだろうか。皇は……興味なさそうだな、皇の代わりにスミレくんが小さな口で大きなあくびをしていた。
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