第一話 日陰より、過去を追う
そういえば最近大人しかったな、と我が身を振り返って判断する。
今までは一週間に一度は外に出て日光を浴び、適当な甘味を買ってうぱーくんのおみやげとし、それこそ各地の水辺を回っては情報交換とかしていたのだが。ちょっと色々と用事が重なって何も出来ていない、これは由々しき事態である。
「だからいっそ遠出しちゃおう!ってことで会いに来た、ってワケ」
「童子さん童子さん、これが人外の思考って奴ですよ」
「いやいや、多分荒弥さんにだけは言われたくないと思うんですけどソレ」
阿吽の呼吸で漫才を始めちゃった目の前の二人をニコニコ笑顔で観察する。そんな俺を不思議そうに見つめる遣霊……うん、いつも通りだね!
「やぁちあきくん、お目覚めかい?」
「かん!」
「お、元気だねぇ」
元気いっぱい挨拶してくれたちあきくんは童子くんの遣霊。多分お膝で寝てたのかな、寝ぐせついちゃってるよ。
「おはよーちあきくん、はいお水飲んでね」
「ん!」
おぉ荒弥くんから貰ったコップを両手に持って零さず飲めて……はいないね!童子くんのお膝がびしょびしょだぁ!童子くんも苦笑しながらタオルで拭いてるよ。
「んー……やっぱうぱーくんとおんなじくらい元気だよねちあきくん。最近来た子の中に全然喋らない子がいるんだけど、やっぱ珍しいのかな」
「珍しいのでは?みうくんも大概に大人しいと聞いていますが、喋らないとなると……」
「遣霊の言語能力って基本ご主人のためにあるじゃん。その子のご主人が言葉を必要としてないってこと?」
「どうだろ……あ、ご主人の方は大きい音が苦手」
「原因それですかね」
「そうかも?」
「かん!」
童子くんと荒弥くんは職員じゃなくて一般区画のなんでも屋……ざっくりいうと一般人なんだよね。大分職員に近いような気はするけど。たまに猫の捜索とか浮気調査とかしてるらしいよ、見たことないけど。
酒見童子くんは明るい金髪と赤目が眩しい好青年って感じ。子供受けがとっても良くてたまに教師としても働いてるらしいよ、確かに向いてそう。ちょっと脳筋してたりするのが玉にキズだけど。一応この事務所の所長らしい。
茅野荒弥くんはグラサンのせいでちょっと不審者と勘違いされがちなお人。黒髪なんだけどアホ毛が白かったり括ってる部分が白かったり、まぁ……うん、ちょっと遊んでるように見えるのかなぁ、物騒に見えちゃうのはそう。よくちあきくんに白い部分引っ張られてるけど。
そして遣霊のちあきくん。童子くんの遣霊でか行が喋れるアグレッシブな子だよ。どうやら周りには童子くんと荒弥くんが育ててる子だと思われてるらしいね。定期的に居住区域を変えることでバレるのを防いでるみたい。
「因みにさぁ、見たことあったりしない?」
「何をです?」
「入江くんとか皇くんのことー。ウォルクがここ来ることはないかもしれないけど、入江くんとか会ってそうじゃない?」
「入江……誰さんです?」
「入江綾華くんー」
「きあ!」
「そうだね。来たことあるよその子」
おっと、冗談だったんだけど、マジ?
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