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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十六章 星々を見定めるもの
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第十五話 速さを武器に・後編

「因みに聞きたいんですが、お二人はどれくらいクリアしてるんです?」

「火力以外は大体九・八止まりですかね。火力は十」

「ええと……まだやってる途中だけど、今は五」

 十段階ある内の九、八が平均なら充分強い部類に入るし、もう五段階目まで到達している星海くんも大概に凄い。俺も機動強化訓練以外の進捗を聞かれたので他のプログラムは殆どが九だと開示した。

「あ、でも火力だけ八ですね。精度と回避訓練は十です」

「速さと精度が両立してるの、普通に考えるとかなり強みなんですけどね……」

「でも確か皇はほぼ全部終わってるんですよ」

「いや皇さんって師匠がウォルクさんなので……」

根黒さんはさも当然のように皇の師匠の名前を出す。確か……皇の師匠って警備隊の警備依頼を受けていたこともある、とか大雅が言っていた気がするな。皇の師匠を名乗れるくらいの強者で、一般的に見ても強者として受け入れられる部類のひとなのか。星海くんはウォルクさんの名前を聞くのは初めてだったらしく軽く首を傾げる。

「そのウォルクってひと、強いの?」

「強いよ。傭兵って名乗って各地を移動出来るくらいにはね」

「へぇ……」

「お知り合いなんですか?」

「うん。幼馴染……みたいなものかな」

 さらっと布袋さんが会話に入って来たと思ったら、意外な発言が飛び出す。布袋さんの幼馴染が、皇の師匠……皇の出身は北なので相当強いのだろうとは思っていたけれど、アランさん達の強さを知っている布袋さんが断言出来るレベルだったんだ。

 布袋さんはウォルクさんについて言及するためだけに近寄って来たらしく、そのまますたすたと歩いて行ってしまう。そんなに強いなら一度手合わせをしてみたいな、今はまだ皇にも勝てないので勝てる見込みはないのだけれど。

「綾華ー武器種何が良い?」

「なんな?」

「斧……かな。昔華蓮が作ってくれたやつ」

「了解!」

「だん!」

 いつの間にかタブレットと紙を広げてせっせと設計図らしきものを書いている二人。設計図……というよりは魔術式っぽいな、俺は詳しいことを知らないけれど、多分複雑な術式だと思う。

「斧って別に振りが早い訳ではなくない……?」

「華蓮が作ってくれた斧、軽いんだよね。ほら」

「ちょっと失礼。……お、本当だ、見た目の割に軽い」

「本当だ……」

「でも普通の斧と同じだけの威力が出るよ」

「んー……重さを軽減する術式……だけじゃないな、火力上げとその他色々ギミックついてる」

「じゃあこれ魔導具……っていうやつ?」

「まぁそれに近いですね。ある意味速さを生かす武器っぽい」

そんな色々組んでるんだ……俺、この斧に関してはずっと機械方面の仕掛けだと思ってたんだけど……もしかして華蓮って、魔術の方が得意なのかな?

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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