第十四話 速さを武器に・中編
「機動強化訓練プログラムの強化?していいの?」
布袋さんに話をするために工房を訪れ依頼すれば、思っていたよりも色好い反応が返って来た。一緒について来た根黒さんと星海くんも意外だったのか目を瞬かせる。
「案はあるんですね」
「あるあるめっちゃある。ほらアランもリアムも殆どやらないからさぁ」
「やらないんだ……」
「うん。あの二人はテストプレイを一回やったっきりかな。基本的に一般職員向けに作ってるから難易度的にも歯ごたえがないんだろうね」
確かにリアムさんとアランさんならどの訓練も軽くこなしていそうだな……皇も確かほぼ全ての訓練をこなしきっていた気がするので、本当に軽・中戦闘区域の職員向けというのが正しいんだろう。
「そろそろ作ってもいいかな……重戦闘区域向けの訓練プログラム」
「なかったんだ?」
「なかったね。今まではアランとリアムしかほぼいなかったし」
「あやめさんは?」
「あやめは凝り性だから初期の頃にやりこんで、全部クリアしてからはもうやってない」
良いんだろうかそれで。恐らくやり込みすぎてやる意味がないんだろうという想像はつくけれども。三人しかいないから作らなかった、というよりは三人が継続的に訓練プログラムを行う習慣がない、ということかな。
「ちょっとデータ確認して組み直して……うん?入江くんてば機動強化訓練プログラム、かなり好成績じゃない?」
「実はこれ以上を目指してまして」
「これ以上を???」
「それで相談なんですけど、速さを火力に変換することって出来ますか」
「速さを火力に変換???言ってることは理解出来るけどそれ魔術必須じゃない?」
必須なんだ。既に根黒さんからそういう魔術があるとは聞いていたけれど、今の反応を見るに布袋さんは魔術を使えない……のかな。
「一応聞くんだけど、入江くんが使う武器だよね?」
「はい」
「じゃあ…………よし、外羽くん呼ぼうか」
「華蓮を?」
「俺別に馬に蹴られたくはないからさ」
「???」
何で華蓮を呼ばないと馬に蹴られるのかはさっぱり分からないが、布袋さんは迅速に華蓮に連絡を入れる。程なくしてレンと一緒にやって来た華蓮は、布袋さんから説明を受けてああ、と頷いた。
「出来ますね」
「なん!」
「出来るんだ……」
「そりゃまぁ、綾華がそれ以上に速くなるっていうんなら多分使いこなせると思う」
「なんな!」
「……相槌うってる?」
「レンくんもしかして魔術を使えるタイプの遣霊?」
華蓮の言葉に反応するレンを見てこそこそと言葉を交わしている根黒さんと星海くん。レンが魔術を使えるか……は、正直良く分からないけど、可愛いことだけは分かる。
「三日……長くても一週間あれば訓練プログラムの方は組めると思うよ」
「本当ですか!」
「うん」
「綾華用にちょっと専用プログラム組んでも良いかもしれませんね。多分要求速度が違うので」
「なんな!」
「じゃあその辺は手伝って?はいタブレット」
「んなん」
「そうだな、ちょっと考えるか」
華蓮だけじゃなくてレンも一緒に考えてくれるみたいだな……どんなプログラムになるのか楽しみだ。
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