第十二話 執行官であるが故
「星の教団と協力するというのは……大丈夫なのか?」
「一応個人として動くらしいし……流石に止められてまではやらないだろ」
「いやー微妙じゃない?なんせ大切な子も巻き込まれちゃってるからさぁ」
遠目から確認したというシンさんが”大切”だと断言するのならば恐らく確実だろう。番のような存在を利用された相手が、果たして大人しく引き下がるだろうか。情報共有のために手が空いていた俺とシンさんが兄さんと会話している訳だが……正直、執行官が協力するとは思わなかった。
「アランから見てどうだった?」
「どうとは?」
「んー……ちょっと深めに首突っ込んでも生きてそう?」
「まぁ、あの様子だと御剣の……いや、御三家の適性がありそうだったぞ」
「御三家の?」
「ああ。才能としては破格だと思う」
世界由来の、防衛機構としての能力を持つ家。それぞれ御剣、玉響、鏡水と名付けられた才能の全てを持つ存在。兄さんの反応から見ても恐らく世界の子とは別なんだろうが……ただの人間が持って良い才能じゃないな。
「そんな凄い子なんだ……だから上位存在に狙われた?」
「いや、才能があるのは普賢……羽深を回収しに来た方。そもそも世界の子と見間違うような存在が上に利用される訳ないだろ」
「あー……確かに?」
「逆に言うと、見間違えるほどの存在でもちょっかいは掛けられるのか……」
上位存在は確か世界由来の存在とは極力干渉しないようにしている筈なんだが。俺の発言にシンさんも納得の声を漏らす。兄さんはというと軽く首を傾げてから、ああと頷いた。
「本人に直接干渉すると被害を受けるが類似程度じゃ影響もそれほどない、という判断だろうな。実際契っていない相手だと危険にすら気付けない」
「いやー……流石に上位存在からの干渉は契ってても厳しくない?アイツらそういうのだけ異様に上手いじゃん」
「多分いける」
「それアラン基準だよねぇ」
流石に兄さんが上位存在と敵対したことはないはずなんだが……いや、俺が知らないだけで兄さんなら有り得るな、シンさんは呆れ混じりの苦笑を浮かべつつ更に言葉を重ねる。
「ちょっかいはかけられるけど直接は干渉出来ないラインってことはさぁ、今後教団の方が利用される可能性が出てこない?」
「無理だろうな。あれだけ利用するにうってつけの組織なのに今まで中立組織として存続出来ている時点でなんらかの対策があるんだろ」
「じゃあ何で今回羽深は……」
「……まぁ、適性の高さだろうな、とは」
対策されていても利用される適性の高さ、か。もし執行官じゃなかった場合利用で済まなかった可能性もあるな。
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