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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第二章 この名を呼ぶのなら、貴方の剣となりましょう
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閑話その4 遣霊達は贈り物がしたい・後編

 眉を下げて呟かれたのは、うぱー君が水に縁がある理由――――アランとは違う選択で、違う状況で生まれたうぱー君と、そうなることを止められなかった自分への呵責。

「ゆっきー」

「……っし、反省終わり!それよか多分それプレゼントしたらあっちからもおんなじ依頼来そうだかんな、先に金具部分作っちまうか!」

 放っておいても順調に魔力籠めれてるのを確認したからか、ちょっとだけ重くなった空気を振り払うように敢えて明るい口調でゆっきーは笑う。転がってるうぱー君を抱え上げて何が良いか聞いてる姿にさっきの湿っぽさはない。

「みみみ!」

「お、さっすがみうくん、最初っから完璧だねぇ」

「みぃ!」

ゆっきーが忙しそうだから俺の方に来たのかな。にこにこと嬉しそうに出来上がった宝石見せて来るみう君は憂いとかなさそう。レン君達も何回か失敗したもののある程度コツは掴んだのか、各々の瞳の色によく似た宝石を生成していた。

「あ、レンここにいたの?」

「だんな!」

「お、丁度いいところに来たな綾華」

「え」

 名指しされたのがよっぽど衝撃だったのか、半歩くらい後退る入江君。別にゆっきーは取って食ったりしないのにね、そんなにびっくりするんだろうか。

「だんな!ななな!」

「レンがな、お前にプレゼントがあるってよ」

「レンが……?」

「ななな!」

 全身使ってアピールするレン君。まるで宝石の中に桜が舞い散るかのような綺麗な色合いのプレゼントを見て、入江君の瞳にも桜が舞う。

「わぁ……!」

「レンお手製だぞ?」

「だん!」

「え、凄い、無茶苦茶綺麗……!」

レン君ごと宝石を抱え上げて、入江君はきらきらとした視線を向ける。レン君もびっくりするくらい喜ばれちゃったからか、ちょっとだけ恥ずかしそうね。

「それ、天波羽織の形状固定に使う金具にはめられるようになってんだ」

「ななな」

「あ、本当だ……!」

 入江君は天波羽織をスカーフ状にしていたらしい。首元にある金具へ宝石を嵌めれば、まるで最初からそこにあったかのように収まった。

「おーぴったり。因みによ、他の……リアムとかアランとか、どこにいるか知ってるか?」

「あ、呼んできますね!」

「ああ頼んだ」

状況把握が早くて助かるね。暇そうにころころ転がってたスミレ君も、皇君がそろそろ来るとなったからか起き上がってポン、と一際鮮やかな宝石を作りあげる。

「うぴぴ?」

「もうそろそろリアム来るって」

「ぴょ!?」

 おめめをおっきく見開いて衝撃を受けるうぱー君。でも流石立ち直りも早い、すぐに迎えに行こうと走り出しかけたからひょいと抱えて膝上に。今駆け出したらちょっとすれ違っちゃうもんね。

「あの、入江に言われてきたんですけど……」

「!」

「たーてー!」

 先に来たのは皇君と東雲君。それぞれスミレ君ととあ君から渡された宝石は、ぶどうジュースが入ってるみたいな紫色と、浅瀬の海を溶かし込んだみたいな水色。とあ君とうぱー君、同じ水色だけどやっぱり色味が違うんだよね。

「綺麗な色だな」

「(ふんす)」

「ありがとうとあ」

「とーいたちたちてー!」

嬉しそうね二人共。あとから入江君に誘導されてきたアランとリアムも嬉しそうにお礼言ってる。遣霊達からプレゼント貰うことは早々ないもんね。たまに飴玉とか口に入れてるのはみるけども。

「因みにお返しがしたいとかでおんなじもん作るなら金型と術式がここにある」

「やります」

 全員即答だね。東雲君は流石元魔術部門出身、一発で作ってとあくんにプレゼントしてるし……他の面々もちょっと手間取りはしたけど無事に渡せてる。

「いやー良かった良かった」

「そうねー。あとはすももくんが渡せれば完璧!」

「そうだな。ももは帰ってきてからだろうし……そういやあやめって今どこにいるの?」

「んー……そういえばどこだろうね?」

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