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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十六章 星々を見定めるもの
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第一話 それは、証であり・前編

「彼は羽深(はねみ)リト。京極家に仕える有翼の家系……らしい」

「有翼の……」

 つらつらと資料を読みながら開示された情報に首を捻る。わざわざ有翼の家系と言ってるからには基本的に翼があるんだろう。翼なんて天使と間違えられて碌なことにならないような気はするんだけど……京極家に仕えてるって言ってたし、ひびきの事も考えるとわざとっぽいよね。

 入江達が連れて来た教団所属の人間。未だに意識は戻ってないけど、ある程度の情報は出揃ったらしくて一旦俺とシンとリアムが呼び出された形になる。事態が事態だから教団としても慎重にならざるを得ないらしいね。

「あれ?俺見たけど……羽なんてあったっけ?」

「流石に隠せるのでは?」

「まぁ流石に」

「翼ってことは飛べるの?」

「個人差はあるらしいが」

単なる飾りではないっていうことね。俺達からしてみればよくやるな、くらいの認識だけど一般的に翼のある種族がどんな末路を辿ったのか、というのは言うまでもない。何で翼があるくらいで希少価値が上がるんだろうね、人間良く分かんない。

「上が利用出来るくらいにはちゃんとしてたってことだよねぇ。……っていうかよくそんな家の子が教団に所属出来たね?」

「どうやらほぼ勘当というか、教団の執行官が私的に連れ出したというか」

「急に話が変わったな」

「きっかけこそ無断だったが最終的には介入の必要あり、と判断されて家から出されたとか」

「いつだって家がクソ」

「やめてやれまともな家だってあるかもしれないだろ」

少なくとも俺達は見たことないよ。特にヒュリスティックに関わる名家とか軒並み後ろ暗いことがあるじゃん。京極家がひびきの生家である以上、そこと関係がある羽深家も何らかの問題を抱えている、と。そんなところ真似しなくていいのに。

「一先ず情報共有と私的な要件があるため教団から執行官が一人来るらしい。……あくまでも執行官ではなく羽深リトの保護者として、らしいが」

「あ、じゃあその連れ出した張本人?」

「恐らくは」

「対応は?」

「事情が事情だからな……俺と、まぁあっても志葉か藍沢先生」

「いた方が良い?」

「流石に止めておいた方が良いと思う」

 あんまり人数がいても警戒させるだけか。ただでさえ執行官が私的な用件でヒュリスティックを訪れるとか前代未聞だからね、何が起こってもおかしくないし……多分俺は周囲の警戒を強めた方が良いっていうのは分かる。

「藍沢先生に許可取った?」

「いやまだ……忙しいらしいからな、厳しいかもしれない」

「じゃあレンリ?」

「断られた」

「一回打診はしたんだ」

何かレンリに対しての頼み方がフランクというか、アランもしかしてレンリのこと割と万能だと思ってない?そいつ一応一介の医療職員だぞ。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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