第六十話 星の教団
「よーし完全復帰!」
「良かったですね根黒さん」
「ええ!本当にありがとうございます入江さん」
数日間の確認作業が終わり、完全に影響がなくなったと判断された根黒さんが快活に笑う。早い段階で大丈夫だろう、と言われていたけれどレンリさんがどうしてもといってここまで長引いてしまった形になる。レンリさんは何も言っていなかったけど多分心配だったんだろうな、適当な対応をしているように見えてその実レンリさんは根黒さんにとても甘い。
「あ、入江さんはあの一般人について聞きました?」
「いえ……まだ意識が戻ってないって聞きましたけど」
「はい。俺もレンリから聞きかじった程度ですけど、なんでもちょっと厄介な……正しく一般人、ではなかったみたいで」
「そうなんですか?」
「はい。調査中らしいですけどね」
一般人……じゃない?つまり警備隊やなにがしかに所属している……ということだろうか。でも警備隊所属なら大雅に真っ先に話が行っていそうだし、わざわざ調査しているということは多分ヒュリスティックに関係がある組織じゃない。怪しいのは御三家……のような気はするけど、それならこんなに悠長にはしていられないだろうし……。
「気になりますね」
「ええ。でも下手に首突っ込むと怒られそうなんですよねぇ。ほら、状況的に多分今回の被害者って教団とかその類のような気がしますし」
「教団……?」
聞き馴染みのないワードが出たな。俺の反応から知らない、ということを理解したのか根黒さんは意外そうな表情を見せる。
「知りません?」
「知らないです」
有名なのかその教団とやら。根黒さんの反応を見る限りそれなりに有名な組織っぽいけれど。正直俺は華蓮がヒュリスティックにいるだろう、と聞いた時点でそれ以外の情報は碌に集めていなかったからある意味当然の反応だったかもしれない。
「扱いとしては中立の……監査機関みたいなところですね。どこにも肩入れしないことを前提として構成された組織です。正式名称は”星の教団”」
「へぇ……そういう監査は警備隊がやると思ってました」
「警備隊も一枚岩じゃないですからねぇ。実際警備隊とヒュリスティックに優劣はないじゃないですか」
「それは確かに……あれ、でもヒュリスティック内の問題は大体アランさんが解決してません?」
「内部ならそうですね。どっちかって言うと教団は別組織間のいざこざが多いです。組織規模での潰し合いとか範囲がデカすぎるってんで」
「成程……」
確かにその規模での騒動はどう転んでも問題になるような気がするな。……あとそんな存在が被害に遭ってるのは大丈夫なんだろうか?
「何か……今後が心配なんですけど」
「まぁ大丈夫でしょう!多分!」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
面白かったらブクマや高評価お願いします。喜びます。




