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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十五章 扉は閉ざされた
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第五十九話 貴方の居場所

「すみませんお待たせしました」

「アランさん」

 程なくして再度合流したアランさんは青藍さんを連れて来ていた。ちらりと俺と龍を交互に見やった青藍さんは少しだけ眉を潜めてアランさんに状況を問う。

「俺、新入りとしか聞いてなかったんだけど」

「敵意はないし、友好的」

「お前ホントさぁ……!」

「……」

あまりちゃんと説明する気がないのかアランさん。龍はというと完全にリラックスしているのか俺の周りをぐるぐると回るだけで青藍さんに微塵も興味なさそうだ。ぼんやりとその様子を眺めていたらいつの間にかスミレが背中によじ登る。

「おいスミレ」

「(じー)」

「うわいつの間に」

「……?」

 青藍さんに興味は無いがスミレのことは気になったらしい。出来るだけ同じ高さになるように頭を下げながら近付いて来た龍に、スミレは小さな手を伸ばした。

「危ないぞ」

「(ぶんぶん)」

「触りたいのか?……良いか?」

「(ぐいぐい)」

「良いのか……」

一旦スミレを抱え直してから龍に近付ける。スミレの手がわしゃわしゃと頭を撫でるように動くと、龍も微かに喉を鳴らした。そのまま何故か俺の手も同じようにスミレに導かれたので、ゆっくりと頭を撫でる。ごつごつとした皮膚は、ちょっとだけ冷たかった。

「……なんか異様に懐いてない?なんで?」

「そういうこともあるだろ」

「ねぇよ。……取り敢えずこの辺りに建物作れば良い?どれくらいの大きさ?」

「ルコンのプールくらいで」

「でかくない???まぁ良いけど……」

 青藍さんが歩けばその後ろに壁が出来、建造物が出来る。足跡のように後ろに壁が出来ていくのは中々珍しい光景だった、スミレも感心したように青藍さんを目で追っていたので特性によるものなんだろう、多分。

「これくらいか……?中どれくらいが良いか見てほしいんだけど」

「行きましょうか」

「はい」

「(こくこく)」

 青藍さんの後を追って室内へ足を踏み入れれば、外側からは想像もつかないほど広い空間に出る。……ヒュリスティック同様内部空間を弄っている、ということか。間取りも何もない空間だからこそ差異が目立つな。

「お前身体大きいし……そもそも何が必要なの?ベッド?」

「――――」

「寝る場所と……最低限身体を綺麗にする場所は欲しいと言ってる」

「成程……?え、じゃあこんな感じ……?」

「あと人間が使える椅子とテーブル」

「何で???」

困惑しながらも青藍さんは要望通りの間取りを生成する。ふかふかのクッションを敷き詰めた部屋に、プールのような浴槽があるシャワー室、そして人間サイズの椅子とテーブル。ついでにキッチン。龍自身が使えるとは思えないが、本人はとても嬉しそうにしているな。……もしかして、中にいるもう一人が使うんだろうか。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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