第十四話 潜り込む・序
「厳しいな」
「藍沢先生でも……ですか」
「ああいや、厳しいってのは正確じゃない。正確には『出来なくはないが人を選ぶ』、だ」
「可能ではあるんですか」
「そりゃあな」
あっさりと言い切られて私とアランは顔を見合わせる。ヒュリスティックからアカデミーに赴く用件……というのがあるのか正直分からない。少なくとも重戦闘区域から赴いたことはないので、医療部門の協力を得ても厳しいかもしれないな、というのが私達の見立てだったのだが。
「出来るだけアカデミー内では存在を知られていない方が良い。特にお前達レベルの有名人はどうやったって角が立つ。入江に皇……あとまぁ、アカデミーにならテオ辺りは連れて行けるだろ」
私やアランが出るのは不味い、というのは良く分かる。アカデミーでは特に名前を知られているのであろうレンリや根黒も駄目だ、主席だったという東雲も除外されるだろう。そうなると自然とアカデミーに通っていない入江達が選ばれることになる。テオもあの境遇だ、ヒュリスティックならばいざ知らずアカデミーでは無名に等しい。
「テオさんは流石に……」
「じゃあ皇と入江だな。それ以外は無理だ」
「天音さんは?」
「外見年齢が悪すぎる。アルマの方がまだマシだ」
「成程」
アカデミーにある、もしくはいるであろう根黒に呪いを飛ばしてきている原因を突き止めるための潜入捜査、なのだが。入江は確定としてせめて二人は連れて行きたいところ。私も出れないとなると皇に頼んだ方が良いだろうか。アランも同じ結論に達したのかふむ、と一声ぼやいてから言葉を続ける。
「志葉さんか……アルマさんですかね。あるいは両方」
「まぁそうなるか。確か皇は最近魔術に関してもある程度感知出来るんだったな」
「魔術まで感知出来るとか、一体何を目指してるんだアイツ」
「志葉さんはあくまでも、強くなることが目的なので……方向性は決めていないと思います」
「節操がないな」
出来ることが多いのは何よりだが、それで器用貧乏になられるのは困る。とはいえ今の皇を見る限り全てが高い技量で纏まっているので杞憂だろうか。ブレることなく強者としてあるのなら何も言うまい。
「逆に聞きたいんだが、そこ三人が抜けても大丈夫なのか?主に根黒」
「レンリさんとテオさんが分かるようですし……俺も分かりますよ」
「少しラグはあるが俺も分かるので」
「それなら問題ないか。向かうとしたら最速でも三日後だ、それまでにメンバーを決めとけ」
「分かりました」
「はい」
さて、どうしようか。
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