第十三話 張り巡らされた、その
「雅俊くぅん?」
「うげ」
「おうその反応見せるってことは分かってんのな自覚あるようで何よりだ」
やっぱりバレてる……!にこやかに、それでいて圧があるレンリさんは爆速で近付いてきてそのまま根黒さんを締め上げていた。動きに迷いが無さすぎる。華蓮が無言で引くくらいには展開が速かった。
「何でバレたー!イテテテテ」
「そりゃ、情報収集のためにリアム職員が来たからだよ。ったくいっちょまえに隠そうとしやがって」
「レ、レンリさんそれくらいで……」
「あー大丈夫大丈夫。手加減はしてる」
「してないしてないギブギブギブ」
喋るだけの余裕はあるとみるべきか、喋り以外が許されていない極まり具合に慄くべきか。あくまでもからかい目的だから本気で抵抗していないのか、本気で抵抗して逃げられないのかでも話が変わってくるんだけど。レンリさんは動じない。
「逆探知?」
「あ、はい。結果はこっちです」
「ふぅん……日中多め、夜間ほぼなし。恐らく中央…………」
「座標もずれるんですよねぇ」
根黒さんを締め上げながらレンリさんは華蓮と言葉を交わし続ける。これ……多分レンリさんは思ったよりも情報を持ってそうだな。リアムさんだってそんな詳しくは話していないと思うんだけど、独自に調べたんだろうか。
「……アカデミーか?」
「でも、アカデミーが何で今さら根黒さんの居場所を探るんだっていう話になりません?」
元々はアカデミーにいたんだから、わざわざ人探しにこんな時間を使う理由がない。とはいえ本当にアカデミーから呪いが実行されているのだとしたら、研究機関とアカデミーには思ったよりも関係がありそうだ。
「つかこれ……不定期っつーか、不特定多数……」
「あ、成程。自分で実行するんじゃなく、生徒に実行させてるのか……」
不特定多数が呪具を使えばそりゃあ位置情報もブレる。日中が多いのはアカデミーに通っているから。逆探知対策なのだとしたらこれ以上ないだろう、実際レンリさんが指摘しなかったら気付かなかったので。問題は呪具が量産できるのか、なんだけど。
「元締めを探す必要があるな……?」
レンリさんはそう一言呟くと、偶然近付いてきていた違和感を利用して更に逆探知を仕掛ける。……何か、レンリさんも気配が見えていそうだな。俺が指摘する前に対処していたし。
「流石に位相違いだと厳しいのでは?」
「まぁそうだな。状況にもよるがこれ持たせて潜入調査かねぇ……?」
「アカデミーに……ですか?どうやって?」
「そりゃ、……あーいや、一旦リアム職員に指示を仰いでから、だな」
何だか今言葉を濁されたような気がするな。
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