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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十五章 扉は閉ざされた
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第十二話 元を辿る

「大変ですね根黒さん」

「いやー……俺自身は別にって感じですね。実際見えませんし」

「やっぱり何の影響もないんだ?」

「少なくとも俺は感じてませんよ」

 皇もただ人を探すもの、と言っていたが、まさか本当に何の影響も及ぼしていないなんて。大分慣れてしまって流れ作業で根黒さんに寄ってくる違和感を処理しているけど、どうやら不規則にこの呪いのようなものは現れると判明した程度である。とはいえ日中が多くて夜間は少ないので、スパンが長いだけで何らかの規則性はあるのかもしれない。

「こんだけ消されてても術者は分かんないのかな……」

「多分機能を限りなく絞ることで数を増やしてるんだろうね。消耗を狙ってるのかも」

「あー成程……え、入江さん大丈夫なんです?」

「全然問題ないですね。情報としてもそんな難解じゃないですし」

「まぁこれ魔術師対策だろうし……特性で対処されるとは思ってないんでしょう。流石綾華!」

華蓮に手放しで褒められてちょっとだけ恥ずかしくなる。別に俺は何の苦もないからね、寧ろ長時間鍛錬出来たお陰で負荷率が下がった気がする。

「それで……逆探知の件なんだけど」

「うん」

 本当には雪代さんに頼んだ方が良いんだけど、と言いながら華蓮は話を切り出す。なにやら雪代さんは別件で忙しいらしくて頼めなかった。東雲も忙しそうだったので除外、レンリさんに対しては話を持ち掛けた時点で尋問が発生しそうだから、と根黒さんに止められた。華蓮は本職じゃないけど知識はある、って言ったので頼んだ形になる。……ぶっちゃけどこかのタイミングでレンリさんにはバレそうなものだけど、寧ろ自己申告した方が傷は浅い気はするんだけど、良いんだろうか。俺は華蓮の事を信頼しているから否はないけれども。

「見たところ、現世の方……もうちょっというと中央っぽいんだよね。心当たりは?」

「いや……ないと言えばないし、あると言えばある……?一応あの研究機関は潰したとか言ってた気がするんだけどな……」

「生き残り……ですかね」

「この辺りはリアムさん待ちですかねぇ……?」

 中央から呪いのようなものを使われている、と分かっただけ僥倖だろうか。少なくとも警備隊が絡んでいる訳ではなさそうだ、という推測は出来る。とはいえそれはそれで色々と困るというか、色々と気になることが増えるだけなのだけど。

「あと……気になるのは、熟練度の影響なのかちょっとだけ座標がブレてるんだよね。ピンポイントでここ、と言えない」

「ブレる?」

「うん。もしかしたら阻害術式でも組まれてるのかもしれないけど……」

「謎が多いな……」

特定されたくないと言われればそれまでなんだけど、どこか違和感がある、ような。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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