第四十八話 事後報告
「……ヘブンに呼ばれた、か」
「一応怪異は仕留めたけどね」
言葉を吟味するようにアランの指先がみうを撫でる。流石にこの忙しいタイミングでは確認しないと思ってるけど、反応は芳しくない。昨日より増えた書類を確認しつつアランは俺の言葉を促した。
俺が報告をするためにアランの部屋に入ったとき、入れ違いでアルマが出ていったんだけど……何を話してたんだろうな、正直アルマに関してはまだあんまり信用出来る立場にいない。ただみうが何も言っていないってことはアランにとっては害じゃないってことだけは分かる。
「夏音は?」
「特性が若干暴走したけどそれ以外は無事。その暴走も咄嗟の判断で出力調整ミスった感じ」
「そうか」
「みゅ」
嘘は言ってない。細かい説明もしてないけど。結局夏音もアオイっていうのが誰かは知らなかったし、記憶にもなかった。俺もアオイなんて名乗ったことはないからな……誰を指す名前なのかてんで想像がつかない。
「どちらにせよ行く必要はあるんだが……」
「優先順位は低いでしょ。少なくとも現状は」
「まぁ、怪異が変質していない限りは」
「みー」
みうが相槌でも打つように声を出している。元々の傾向から大きく外れていなければ問題ない、精神干渉方面だから増えすぎると困るとはいえ、ほぼレイスのエリアに移動するし。特性無効とか引っ提げてきたらちょっと厄介だけどね。
「俺の方で見張っとく。最近戦闘区域に機械埋める奴が多発してるっぽいし」
「戦闘区域に機械を埋めるのか……何故?」
「召喚のためのアンカーだったり、トラップ仕掛けてたり……まぁ、碌な使い方はされてないよね」
「ああ最近の……わざわざ細工する労力があるなら、せめて怪異を減らす方向で動いてほしいんだが」
「それはそう」
「み」
ちょっと全体スキャンして全部炙り出してもいいんだけどね。問題は、無機物まで認識しようとすると情報過多で脳がパンクするっていう。埋まってるもんを簡単に探しだせるならとっくのとうにやってる。
アランはしきりにみうを揉みながら思考を回している。気になるけど優先順位が低いから一旦様子見……とかになるかな、少なくともヘブンを調べるとなるとそれなりに時間が掛かる、という認識はあるらしい。
「……討伐した怪異の報告書だけ上げてくれ」
「ん、了解」
「あと、出来れば当分夏音の方を気に掛けておいてくれるか。何もないとは思うんだが、一度外れた制御は緩みやすいから」
「ああそういう。ワカバにも言っとく」
「頼んだ」
……流石に勝手に確認には行かない、よね?
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