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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第七章 生きたくて、息をする
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第十二話 脱走、その後

「うぴ?」

「ちびすけが大人しくしてると思ったらお前さぁ……」

「ぴゃーん」

 さもとぼけたような声を出す小動物をつつく。こいつが脱走するのは今に始まったことじゃないけど、流石に他の小さいのまで巻き込むとは思わないでしょ。夜に慌てて俺のところに来た夏音のことも考えろ。

「うぱーくんお散歩好きだもんね」

「ぴ!」

「でも許しません」

「ぴ!?」

優しい口調からの叱られにうぱーが驚いてる。ソウ、普段はふわふわしてるし肯定する方が多いけど怒ったら怖いんだよね。俺も叱られたくないしシンも逃げるレベル。

「ていうかどうやって抜け出したの。通路は監視してたはずなんだけど」

「ぴょお!」

「うぱーくんも液体なので……」

「こいつも液体なの……!?」

「ぴゃい!」

液体……液体か?確かに水辺にはよくいるけど水の中でも個体だし流体……っぽいことはない訳じゃないけど、ソウ程液体っぽさはない。というかこんなに騒がしかったら擬態も出来やしないでしょ。

 俺の困惑を軽く流すソウとうぱー。そのまま自然な流れで話題も変わる。

「東雲くんが出会ったっていう不審者、何がしたかったんでしょうね」

「……そうね。東雲はぼーっとしてて人気のない廊下の方に来たって言ってたし、実際あの現場はまず人が通らない場所だし」

位置的にも資料室や備品室が近い訳じゃない。どちらかと言えば訓練室にほど近く……それでいて今は空間を弄った影響で部屋もない突き当たりに位置する場所だった。侵入者なら資料室か個室の方に来て然るべきだろ、何でわざわざあんな場所にいたんだホント。

「大雅の出会った相手も……不明ですし」

「今回の相手とは違いそうだけどね。なんというか……アランとかリアムじゃない辺りが厭らしい」

言い方は悪いけどアランとかリアムなら大概の相手に有利取れるから身柄確保も夢じゃない。逆にあの二人がなすすべもなかったってんなら方向性も一気に絞られるし、そこまでいくと札木博士とっつかまえて情報絞った方が良さそう。そういや札木博士も不法侵入してたな、そんな簡単に探知から抜けられるのちょっと傷付くんだけども。

「今回の不審者が……鳥飼さんの監視と関係あるのかは?」

「ぴょ?」

「分かんない。というか、鳥飼の監視って指向性があるせいで判別が難しいんだよね。実際俺もシンも把握出来てないし。エンデに確認させた方が良いかな」

「ぴゃい!」

「古参、の職員、あるいは警備隊でないといけないかもしれない以上……案外アランさんの方が気付く可能性もありますよ?」

「いやぁリアムが何ていうかな……なんか今回、割と自発的に動いてるし」

 少なくともアランはリアムが人目に晒されるようなことは良しとしない。過保護にも思えるけどかつて人目に晒され続けてた保護者達がいなくなったことを踏まえると……あんまり指摘も出来ないな。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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