表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第六章 静寂の水底へ
145/462

第三話 波紋は広がり

「ワルイナセイラン、サスガニダメダ」

「今ここで青藍暴れたらアランもっと帰ってこなくなる」

「っ……」

 ラリマーとワカバに言葉を重ねられて青藍さんは黙り込む。こっちもリアムをどうにか止めて……本当、何で何も言ってないのに暴れ出したんだろうなコイツら。特にリアム。

「シンさーん、どういう状況?」

「みうくんが高熱でギャン泣き」

「成程異常事態」

「アランさん、今研究部門でしたよね?」

「そうなんだよ」

よくよく聞いてみれば皇のところにみうが潜り込んできたことで異常が発覚したらしい。……やっぱり遣霊、やけに皇のところに集まる傾向があるよな……。それで慌てた皇が藍沢先生のところに行って、状況把握した藍沢先生から先手でリアムと青藍さんを無力化しろっていう指示がシンさんに飛んだ、と。そこから救援として俺達と大雅が呼ばれて……入江は詳細把握のために医務室に行かされた。尚何故か東雲は報告前に医務室に直行した模様、何でだよ。

 研究部門からの呼び出し中に発生した異常事態。元々管理人の一件やらで信用がないってのに、このクソ忙しいタイミングで騒動を引き起こすときた。あっち人手ないだろいい加減にしろ、良識はどこ行った。

「もうさぁ、研究部門一回爆破しない?俺出来るよ」

「……その手があったか……」

「待って待ってゆっきーまでそっち側なの俺の負担大きすぎるって」

「ゆっきー純岩盤破壊出来るの?」

「いや流石に無理。だから機材だけ吹っ飛ばす」

「イチバンヤナヤツ」

「欠片も残さない自信あります」

「ゆっきぃー……」

シンさんがそろそろ涙目になってきたからやめる。ぶっちゃけここで俺がリアム逹に加担しようもんならマジで止めれなくなっからな。俺がゴーサイン出すとワカバとラリマーも暴れ出すってことだし。

「いやでも実際どうするよ」

「そうなんだよね……素直に異議申し立てする訳にもいかないし」

 シンさんも俺も解決法を提示出来ずに唸る。放っておいても五日後には帰ってくる、だがしかし五日間みうが耐えられるとは思えないし何よりアランが傷付けられるのはいただけない。下手すりゃ管理人騒動の二の舞にもなりかねないし。

「やっぱり兄さんを隠しましょう。俺が表に出ます」

「リアム、それは多分悪化しかしないんだ……」

「何故!?」

「なんせなぁ、外回りとか抑止としての役割があるから短期間にせざるを得ないんだよ研究部門は」

リアムが呼び出されないのは交渉の結果だ。リアムが毒牙にかかった時点でアランはあらゆる制限制約を無視して暴れると公言している。逆に言うと、リアムに手を出さない限りは研究に協力するとも。……その結果が管理人だけどな。

面白かったらブクマや高評価お願いします。喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ