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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第五章 巡る四季に想いを馳せて
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閑話その7 水面は揺れる・後編

「うぴゃぴぴょーーーーーう!!!!!」

「あ゛ーーーーうぱーくん急旋回は俺がついていけてないだからと言ってそんな大ジャンプにも反応出来ない落ち着いてぇ!?」

 水を得た魚、ってああいうのを言うんだろうか。うぱーくん水着じゃないのに凄い泳いでるな……振り回されているルコンさんの叫びは木霊しているけど。

「よそ見してると落ちるぞ」

「え?うわっ」

水面が揺れたと同時に落水。リアムさんに引き寄せられることで全身ずぶ濡れは避けたが、膝下くらいまではしっかり濡れてしまっている。

「あー……」

「入江さん大丈夫?」

「うん……これ難しいね……」

初見なのに失敗していない皇が凄すぎるんだよな。夏音くんも恐る恐る水面を歩いているけど、たまに足を滑らせてリアムさんに捕獲されてる。

 ちらりと皇の方へ視線を向ける。勿論意識は完全に向けてないようにして水面歩行は維持する形で。……スミレくんとみうくんも出来るんだ……もしかしてレンも出来たりする……?

「そういえば夏音くん、ゆきくんは?」

「ゆきは、冬音と一緒に大雅さんのところで訓練してます」

「大雅の……」

どこだろう……と思って視線を巡らせれば確かにいた。水上を猛ダッシュする冬音くんとそんな冬音くんを追いかけるゆきくん……いやあの二人も走れるの!?

「リアムさん、あれ……」

「良く見ろ。ゆきの方は固有の能力である事象の凍結を応用しているだけだ」

「え?あぁ……」

「冬音の方は立ち続けるだけの維持が出来ないから走ってるんだと思うぞ」

「あー……」

 成程。確かに一瞬だけなら水面への固定もそこまで負担にならない。幽撃を強めすぎると空間を倒してしまうというのがあるので、立ち続けるというのは威力のない幽撃を使用し続けることと同義である。そしてこの威力のない幽撃というものが厄介で……一種の特殊攻撃である幽撃は、基本的に威力の増減というものがない。

「因みに……リアムさんは威力問題どうやって解決してるんです?」

「私はそもそも威力が足りなかった側だ」

「そんなことあるんですか?」

「普通ならば有り得ないさ。だが……まぁ、兄さんは空間を意図的に物質と捉えることで幽撃の攻撃対象外にしていたな」

「ええと……?」

夏音くんが戸惑うように俺の方に視線を向ける。……正直俺も意味は良く分かっていないが、察しはついた。

「アランさん、もしかしてどんな相手にも幽撃を通せるんですか……?」

「ああ」

霊体以外への幽撃は難易度が高いのに凄いな。ただその方法が恐らく自己の認識で対象の属性を歪めるというのは真似出来そうもない所業だが。

「皇も直感で出来そうだからな……」

「あやめなら多少……そういえばあやめも切れてたな……」

過去を思い出す様に遠い目をするリアムさん。リアムさんもアランさんも規格外となるとあやめさんがキレるのも分からなくはないな……。

「ぴょーーーーい!!!!!」

「うぱーくん頼むから止まってーーーーー!!!!」

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