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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第五章 巡る四季に想いを馳せて
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第二十話 重ならない対比

「まだ残ってる子、どんな子なの?」

「え?あー……」

 ちらりと視線がレンと春音くんにずれる。どうも春音くんはあんまり体を動かす機会がなかったらしく……ウォーミングアップの時点で疲労困憊、地面とお友達になったから少し離れた場所でレンと一緒に休んでもらっていた。華蓮は普段、医務室だったりリアムさんやアランさんと話してることが多くてタイミングがここしかなかったっていうのはあるけど……流石に春音くんがいる場所で話すべきじゃなかったかもしれない。

「……まぁざっくり言うと、四人いる」

「四人」

「そう。春音達兄弟とまだ残ってる兄弟は担当した博士が違くて……残ってる兄弟を担当してた博士の方が、もうすっごく春音達を担当してた博士のことをライバル視してる。だから四人」

「あぁ……」

今の発言で対抗心を燃やしたんだろうなっていう考察まで出てしまった。もしかしたら残された兄弟の方にリアムさんをベースにした子がいる可能性すらある。いやどうだろう……もしかしたらベースが同じ可能性は充分にあるな。

「因みにその博士、俺のことは一切信用してなかったから実はあんまりその兄弟達とも会えてない」

「警戒心が強い?」

「そう……かな。うん、そうかも」

 軽い手合わせをしながら華蓮は言葉を紡ぐ。ブランクがあるって言ってたけど、普通に戦えてるよね華蓮。何で研究部門に捕まってたのかちょっと分かんないレベルだなぁ……その辺つつくと藪蛇というか、過去の自分の弱さが露呈しそうだから黙っておくけど。

「あと……」

「あと?」

「んん……俺が知ってるのは四人なんだけど、もう一人……同ジャンルというか、そういうクローン技術の先駆者がいて、そっちに関してはトップシークレットだったんだよなぁ……って」

「え、じゃあ四人以上いる可能性も……?」

「うん」

ひょい、と軽い調子で放り投げられた身体を空中で捻って体勢を整え着地。多少体格差はあるだろうけど、そんなノリで放り投げられるほど俺軽くないだろ。遠くで見てた春音くんとレンが感心したような声を上げている。

「器用だね綾華」

「片手で放り投げる方が器用だって」

「あれはちょっとしたコツがあるのよ」

分かってたけど華蓮、体の使い方が上手いんだろうな。ブランクありきでもそれなりに動けているのもその辺が大きい気がする。

「……その分かってる四人の子達って、春音くん達に似てたりする?」

「いや。似てない。そこに関しては”同じ素体でクローンを作る意味がない”って言ってた」

「じゃあ……」

「……まぁ、想像はつくだろうけど、リアムさんにそっくりな子はいる」

「やっぱりいるんだ……」

そんな反抗期みたいなスタンスなのに優秀っぽいの普通に厄介だな。特にリアムさんは重戦闘区域から離れることも早々ないようなのにクローンを作られている辺りとか。青藍さんをベースに作られていた子がいたんだから、残されている子の中にシンさんに似た子もいるんだろうか。

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