19話
クルード「とのことです」
サトリ「4国間の条約の制定ご苦労。二日で終わらせるとはさすが三賢だな」
クルード「今同時進行で10国と交渉中です」
サトリ「具合はどうだ?」
クルード「4国を相手にする愚か者などそうそういません。武国でも頭を縦に振るでしょう」
サトリ「この1年間でここも成長したな」
クルード「サトリ様のお力です」
サトリ「国力も武力も相当になって来たからな」
クルード「食料問題もすでに解決済みです。どれだけ増えても大丈夫です」
サトリ「魔物の数も当初に比べ18倍か…だいぶ増えたな」
クルード「多夫多妻制ですからね。子供の増える速度は右肩上がりです」
サトリ「人間と違い、変な文化が少ないのが救いだな」
クルード「自分達の首を絞めて何が楽しいのでしょうか」
サトリ「偉いものが自分に優位になるようなものが作られていくからな」
クルード「愚かしいですね」
サトリ「それが人間というものだ」
クルード「虚しいですね…」
サトリ「滑稽だろう?自分達が悦に入れれば子孫のことなど関係ないのだからな」
―
サン「サトリ様!また無法者が入って来ましたー」
サトリ「今度は何者だ?」
―
「あなた様がこの国の王ですか!?」
サトリ「全部で五十くらいか」
サン「交戦意思はなさそうだったんで連れて来ました!」
サトリ「それで何ようだ?」
「私たちは亡命して来たんです…」
サトリ「どうしてこの領域に?他にも国があっただろう?」
「ここであれば人間国の報復も逃れられるかと…」
サトリ「ここを隠れ蓑にするつもりか?」
「他の国より安全かと…」
サトリ「魔の領域が他の国より安心だと?」
「はい。賢王だと聞き及んでおります」
サン「口だけ良くして取り入ろうって話?」
サトリ「いい。それでは隠れ蓑になる代わりにサンの部下として使ってやれ。もちろん愚者の呪いをかけて
な」