17話
クルード「無事無血開城致しました」
サトリ「ご苦労。魔物というだけで最初は怪訝だと思われるだろうが、誠意を見せればわからない人間では無いからな」
クルード「ぜひサトリ様にも来ていただきたいとザンシから言伝が」
サトリ「いいだろう。向かうか」
―
ザンシ「サトリ様ご足労いただきありがとうございます」
サトリ「今の状態は?」
ザンシ「話し合い中ですが、おそらく可決されるかと。二王政かつ、武力の提供が条件です」
サトリ「ここの王は善王だ、決して違えるなよ」
ザンシ「はっ」
―
サトリ「久しいですね、善王」
「まさかサトリくん…君が」
サトリ「言いたいこともわかりますが、まずは私の話を聞いてはくださいませんか?」
―
「そうか…それなら納得がいく。君からの負のオーラが滲み出ていることを鑑みるに嘘偽りでは無いんだろ
うな」
サトリ「そういうことです。基本的にこちらからは一切手を出しません。武力も提供します」
「最初から言ってくれれば…いや無理か…魔物だからと言ってこちらから手を出して返り討ちに合うのが定め
だろう」
サトリ「さすが善王。理解が早くてありがたい」
「わかった。それでは食料供給を約束しよう。全員分のを賄えるようになるのは当分先となるがそれでもよろ
しいか?」
サトリ「国民の許しがもらえる、そして魔物だからといって差別をしないのであればこちらからも助力しよ
う」
「話に聞けば三国も手中にあるとか。明日国家会議を開き法律を作ろう。サトリくん一人でも相手にするの
は怖いからね」
サトリ「助かります。それでは」
「待ってくれ」
サトリ「どうしたんですか?」
「今の君は…サトリくんかい?」
サトリ「そうです。たまに…あるみたいですが」
「そうか…君はそのままでいてくれ」
サトリ「そうですね…」
「よろしく頼むよ」