12話
シン「万事順調です」
サトリ「あいつが代表とは人間も落ちたもんだ」
シン「あの国は特別です。戦争で奪い取ることしかしない」
サトリ「そんなことももう終わる」
シン「お力添え、ありがとうございます」
サトリ「それでは引き続き任せた」
シン「かしこまりました」
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「ヒィ、ヒィ、私だ!早く門を開けろぉ!王に合わせるんだ!」
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「お、王よ!彼の国はすでに魔のものに落ちております!今すぐにでも潰さなければ!」
「お、お前…顔どうした…?」
「は、はい?顔が何ですか!?」
「お前本当に宰相なのか…?」
「何を仰います、この私の顔…ヒィ!なんだこの顔!?」
「ち、近寄るでない。まるで魔物ではないか」
「お、王よ!わ、ワタシハ…グ…ギギギ」
「こやつ呪われおったか!今すぐ始末せい!」
「オ、オウ…ヨ…」
複数の槍貫かれ、力尽きる。
「く、魔の物が…」
「王よ!」
「どうした!騒がしい!」
「死んだはずの宰相がいません!」
「どうして目を離した!」
「いえ、目を離し…」目の前で顔が吹き飛ぶ。
「な、何が起こっている…?」
見えない何者か…おそらく宰相だったものに兵が蹂躙されていくのを見つめているだけしかできなかった。
数秒もしないうちに外からも悲鳴が聞こえるようになってくる。
王は悲鳴を聞きながらも自室に篭った。1時間、2時間と悲鳴が耳を擘くが震えが止まらず、動けないでいる。
悲鳴が聞こえなくなり、閉じていた耳を開ける。どれくらい時間が経ったのだろう。
この部屋は厳重に締めてある。どんな化物でもよほどのことがないか…
「オ、オウ…ヨ」
「な、何故だ…」人間だったモノが2つ転がっていた。